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【社会】群馬の高2自殺 『キモイは人権侵害』 両親が申告、法務局調査へ2008年7月21日 朝刊 昨年末、群馬県西部の県立高二年の男子生徒=当時(17)=が「キモイとか、ウザイとか言われ続けている」などといじめ被害の苦悩を作文に記した後、自殺した問題で、生徒の両親が前橋地方法務局に「息子への人権侵害があった」などとして、人権侵犯被害の申告をしたことが二十日、分かった。 同法務局は申告を受理。法務省の人権侵犯事件調査処理規程(大臣訓令)に基づき、近く実態調査を始める。 父親によると、生徒は自殺の一、二カ月前に書いた作文で「キモイ」と言われたことをつづり、「いじめをする人に、いじめられる側の気持ちや苦しさを知ってほしい」とも記していた。昨年十二月一日、修学旅行先から泣きながら帰宅した直後に家を飛び出し、河原で遺体が発見された。遺書はなかった。 男子生徒は汗かきで体臭を気にしていたといい、父親は「『キモイ』『ウザイ』などと繰り返し言われたら、傷つき、致命的だったと思う。県教委はいじめがあったという前提で再調査すべきだ」と訴えている。 これに対して高校や県教委側は、いじめがあったかどうか「不明」として存在を認めていない。 各地での類似事例について独自に調べたという父親は「『キモイ』などのいじめが自殺の原因と認定されたケースが全国で四件あった。法務局は第三者の視点で真実を調べてほしい」としている。 法務省の人権侵犯事件調査処理規程は、被害者などから人権侵害の申告があった場合はただちに必要な調査を行い、被害を認定した場合は、そのケースに応じて、相手方に反省を促す「説示」や、刑事告発などの措置をとるよう定めている。
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