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お父さんが家族を殺す夢を見た…中3女子父刺殺事件

 埼玉県川口市のマンションで男性会社員(46)が刺されて死亡した事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された私立中学3年の長女(15)が、県警の調べに「お父さんが家族を殺す夢を見た」と供述していたことが20日、分かった。長女は「目覚めた瞬間に(犯行を)思いついた」とも供述しているという。県警はこの日、長女を殺人容疑に切り替えて送検した。

 殺害のきっかけは「悪夢」だったのか―。長女は逮捕された直後「お父さんが家族を殺す夢を見た」と供述していたことが分かった。県警の調べに対し「目覚めた瞬間に父親を刺そうと思いついた」とも話しているという。

 調べでは長女は19日午前零時ごろ、父親の寝室と廊下を挟んで隣にある自室で就寝。午前3時ごろに目覚めた直後、台所にあった文化包丁を手に父親の寝室へ入り、胸を複数回刺した。

 聖学院大客員教授で精神科医の作田明氏は「父が家族を殺す夢」→「父を刺す」という流れを「あり得ないことではない」と話す。考えられるケースのひとつは「夢遊症」だという。長女が「寝ている状態なのに突然動き出し、犯行に及ぶ間も目覚めていない」という可能性だ。

 また「夢からはさめているものの、夢で見たことと現実が一体化して区別が付かなくなり、犯行に及ぶ」可能性もあるという。こちらは長女よりも年齢の低い子どもにより多く見られる場合が多いが、作田氏は「今回はどちらかというと、後者の可能性が高いかもしれません」とみている。

 このような「夢と現実の一体化」という状態は、長女の年代では「男子よりは女子の方が陥りやすいと言っていいと思います。女の子の方が暗示にかかりやすい傾向があります」(作田氏)。

 また、夢の内容が現実と全く無関係で荒唐無稽(こうとうむけい)なものならば混同しづらいが、今回の場合、長女が仮に普段から父へのわだかまりを抱えていたのだとすれば「夢の内容が現実に重なり合い、連続性が生まれたかもしれません」というケースも考えられるという。

 事実、長女は「両親から『勉強しろ』と言われることに反感があった」と供述。両親サイドは特に厳しく勉強を命じることはなかったとしているものの、作田氏は「本人の受け取り方の問題だ」と指摘する。

 これまでの事件では「夢遊症」のため責任能力を問えなかった例も、実際にはあるという。

 長女は「大変なことをしてしまった」などと話し、反省の態度も見せている。長女の母親は県警に「父娘は大きなケンカもなく、娘が家族に悩みを打ち明けることもなかった。動機に思い当たるところがない」と説明。県警は20日、現場を家宅捜索し長女の日誌など十数点を押収、動機の解明を慎重に進める。

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(2008年7月21日06時02分  スポーツ報知)

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