伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴治療を受けた女性(73)が死亡するなどした医療事故を受け、再発防止にと、県看護協会や県、県医師会が企画した院内感染研修会が二十日、県内二会場であった。看護師や保健師ら看護職が対象で、点滴治療の注意点などを学んだ。
津市の県津庁舎では定員百人の倍以上の二百十人が参加。伊勢市の山田赤十字病院でも百三十人が出席した。
県津庁舎では、県看護協会の山口直美会長が「看護に携わる者として、安全な医療のために基本をしっかり確認してほしい」と呼び掛けた。研修会では、感染管理認定看護師の資格を持つ四日市市の富田浜病院看護部主任、森川飛鳥さんが、点滴治療での感染対策や医療現場の衛生管理について話した。
森川さんは、点滴液の混合時にゴム栓を汚染された酒精綿でふくことで点滴液に菌が入り込むことを説明。酒精綿使用の注意点として▽十分なアルコールを使う▽容器のふたをまめに閉める▽綿や薬液の継ぎ足しはしない−などを挙げた。また、点滴液を混合したら速やかに投与することが望ましいとし、作り置きの危険性を強調した。
参加した松阪市の女性看護師(42)は「勤務先で酒精綿を二日にわたって使うこともあったが、これからは一日で残ったものは捨て、容器の消毒をしっかりするよう改めたい」と話していた。
研修会は二十一日も県四日市庁舎と県松阪庁舎、県尾鷲庁舎の三会場で午前十時から開かれる。
(大島康介)
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