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【主張】熱中症 侮らず予防意識高めたい
梅雨が明け、日差しが強烈さを増している。気をつけなければならないのが熱中症だ。体が気温の上昇に慣れていないとかかりやすい。直射日光を避け、こまめに水分を補給するなど予防を忘れてはならない。
炎天下でスポーツや作業をしたり、気密性が高く、暑い部屋の中や車内に長時間閉じこもったりすると、熱中症にかかる危険性が高くなる。命を落とすケースも珍しくない。厚生労働省の統計によれば、毎年200人から400人が死亡している。
とくに体温の調整機能が弱く、体力のない高齢者や幼児は、細心の注意が必要である。熱中症を侮ってはならない。
症状としては、高温多湿のなかで体温の調節ができなくなり、脱水、けいれん、頭痛、吐き気、めまい、血圧低下、意識障害、虚脱状態、昏睡(こんすい)を引き起こす。
医学的に熱中症は、(1)運動で足などがつる熱けいれん(2)皮膚血管が拡張して血圧が下がって失神したりする熱疲労(3)体内の熱の放散が妨げられる熱射病−の3つに分類されている。
専門家によれば、いずれも体を涼しい場所で休ませ、適度に水分を補給する手当てが大切だという。たとえばボタンを外して衣服を緩め、風通しの良い日陰を探して安静にさせる。意識がはっきりしていれば水分の補給を行う。
発汗で電解質も失われている。スポーツドリンクや少量の塩を含んだ水を飲むのも効果的だ。ぬれたタオルや冷却剤を太い血管のある首やわきの下、鼠蹊(そけい)部に当てて冷やすと体温は下がりやすい。
嘔吐(おうと)や意識障害がみられる場合は、輸液や人工呼吸、心臓マッサージが必要になることもある。こうしたケースでは、なるべく早く医療機関に運ぶべきだ。
熱中症にかからないためには、日ごろから体調を整えておくことが肝心だ。とくに睡眠不足や暴飲暴食、二日酔いは避けたい。
梅雨が明けると、日中の気温が30度以上の「真夏日」や35度以上の「猛暑日」、それに夜間の最低気温が25度以上の「熱帯夜」が続くことになる。都心では気温が周辺部よりも高くなるヒートアイランド現象が起きる。
夏休み中の部活動では生徒の体調管理が欠かせない。自治体も健康弱者には十分な気配りが必要となる。なにより各人がまず予防の知識と意識を高く持つことだ。