週末は木曜・金曜・土曜とDJ、そして金曜夜、片岡義男さんとのレコード・コンサート、どれもそれぞれに楽しみました。

 木曜日の夜は、いままでほとんど一度もプレイしたことのないようなレコードばかりで、なかなか緊張しましたが、1曲、いまいちばん好きな曲をプレイすることが出来て、最高に嬉しかったです。キャロル・マーティンの「ザ・ミュージック・ザット・メイクス・ミー・ダンス」というアルバムの中の「シャウト!」という曲。初めてプレイして、ぜったいにカッコいいのはワカッテいるのですが、何しろシブい、渋い、4V。暗くて、ジャジーで、ルースで。受けるかな、と思いつつ、プレイ。そうしたら、パーティー首謀者である「GROOVE」誌・細川さんと、「レコード手帖。」でも御馴染み、ユニバーサル斉藤さんがDJブースにやってきて、「ニコラがこのレコードを知りたい、と言ってますよ」というのです。そう、この日はニコラ・コンテがお忍びでパーティーに来ていたのです。

 金曜夜、青山「レイニー・デイ・ブックストア」での、片岡義男さんとのレコード・コンサート。この日は女性ヴォーカル特集。この日、ぼくが聴いていただいた曲のリストは以下の通り。

marge dodson/they can't take that away from me
connie stevens/they all laughed
annie ross(lambert,hendricks & ross)/jackie
teri thornton/open highway
anna margarida/if we lived on top of a mountain
julie london/theme from a summer place
isabelle aubret/nous dormirons ensembre
ミズノマリ/東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。
france gall/c'est cela l'amour

 この日も片岡さんの選曲が目から鱗が落ちるような、素晴らしいものばかりで感激しました。
 この日、もうひとつ感激したのは、ある若い女性から、「すみません、レコードって、どうやって2曲目とか、3曲目って探すのですか?」と尋ねられたこと。つまりレコードというものを見たことも触ったこともない、という人。当然そういう人がいるとは知っていますが、じっさいに会ったりお話ししたりするのは、ぼくにとっては初めてのこと。でもこうしてレコード・コンサートに来てくださるのだから、もちろん音楽ファンなのであって。なんだか行ったことのない国の人に出会ったような嬉しさを感じました。でも彼女はクラブにも来てくれたことがあるのですよ。

 金曜深夜は六本木ヒルズ52階、mado lounge でDJ。ここでも前半、近頃プレイするチャンスのなかった曲をかけることが出来てゴキゲンでした。
 この日の東京は、夕立があった後で、夜空がぜんたいにガスっていて、お楽しみの夜景はいまひとつ。でも、ぼくは自分のセットが終わって、いつも最高にイイ感じの吉永祐介くんのプレイを大いに楽しみました。なんだか彼のDJを聴いていると、もうまるで六本木ヒルズだの、って感じがしなくなって、ここが「くれたけビル・アネックス52階」?、オルガンバー六本木店でしょ、って気分。カミヤくんも藤澤志保さんもM7くんも来てるし、これでバーカウンターに大仏くんがいたらカンペキなんだけど、って、みんなで大笑いしてました。吉永くんはベトナムでのヴァカンスから戻ったばかり、彼の地でミス・ユニヴァースと撮った2ショット写真を、i-phoneで見せてくれました。いいな、i-phone。なんちて。

 そして土曜日は出雲・松江。「NAKED SPACE」というクラブの4周年記念イヴェント。楽しかったです。ぼくは最初のセットが1時間半。2回目はめずらしく「オレの」4つ打ちセット。そしてラストは大好きなシングル盤ばかりを4時半までプレイしました。皆様、有難うございました。

 でもずっと、この週末はアタマの中ではキャロル・マーティンの「シャウト!」がリピートし続け。そしてもうすぐスタートする「レコード手帖。」夏の特集のことばかり考えておりました。

 さて、きょうの「レコード手帖。」は初登場、矢島和義さん。ぼくがいつもたいへんお世話になっている吉祥寺ココナッツ・ディスクの方。でも、いつもお電話だけで、まだお店に行ったことがないのです。松江まで行っちゃうのに、吉祥寺に行かないなんて。でも六本木ヒルズだって、先週が2回目だったり。

 吉祥寺ココナッツ・ディスクのブログは、わたくし、ほぼ毎日チェックしております。吉永祐介くんがアート・ディレクションを手掛けたTHE BOWDIESの特集とか、いつも音楽が好きな人が作ってるのが判るウェブサイト。きょうの矢島さんの原稿に出てくるガール・グループのコンピの中の、バーナデット・キャロルの「he's just a playboy」という曲。ぼくは若いときに大きな影響を受けましたっけ。2,3年に一度はクラブでもプレイしている曲。矢島さん、これからもヨロシクお願いします。

 国民の休日、なんて知らないよ。きょうは夕方から編集会議です。額にタオルでネジリハチマキしているふたりの男。毎日あくせくと更新しています。

(小西康陽)