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水上戦闘機「強風」の浮舟をはずし、陸上戦闘機に改造したもので ◎ 製作所
11型乙(N1K1-Jb) 11型丙(N1K1-Jc)
局地戦闘機「紫電」11型(N1K1-J) 局地戦闘機「紫電」11型(N1K1-J) 製作記号 N1K1-J 試作名 仮称1号局戦 コードネーム George 面 積 主翼 23.500u 水平尾翼 4.435u×2 垂直尾翼 2.011u 重 量 自重 2,897s 総重量 3,900s 過荷 4,321kg
発動機 中島「誉」 21型 空冷星型複列 18気筒×1 燃 料 716 g 増槽 400g 滑油 55g プロペラ VDM 定速 4枚羽根 直径 3.30m 性 能 最大速度 315.0kt(583km/h)/ 5,900m 武 装 胴体機首 7.7mm固定機関銃2門撤去、銃口だけはそのまま 乗 員 1 初号完成 昭和17年12月 日 |
太平洋戦争開戦後まもなく、川西航空機では、飛行艇を主にして
いた従来の生産方針を転換することになり、試作中の一五試水上戦
闘機「強風」(N1K1)を陸上用に改造した局地戦闘機を計画、これが
海軍に採用され昭和16年12月28日、「仮称一号局地戦闘機」のちに
試作紫電(N1K1-J)として試作が指示された。
発動機は当時試作を終ったばかりの中島ル号(後の"誉")に決定、
試作期間短縮のため主翼と胴体は「強風」のままとしたので、主翼
配置も中翼型となり、長くなった主脚を収容するため、複雑な二段
式引込み装置を採用、また同社独特の自動空戦フラップを装備し、
空戦性能の向上のを計った。試作第一号機は設計開始後一ヵ年足ら
ずで完成、17年12月31日に初飛行を行った。しかし発動機の不調で
予期した性能に達せず、降着装置の不具合、中翼による戦闘視界不
良などの欠陥もあったが、強力な武装と比較的大きい航続力、さら
に空戦性能がよいことなどのため、19年10月「紫電」11型として制
式に採用され、台湾、比島方面の戦線で活躍した。