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PART 3

 9月12日 御荘

9.御荘湾ロープウェイ

 朝8時頃目が覚める。一階のレストランで朝食をとり、荷物を預かってもらう。今日は御荘湾ロープウェイ&宇和海展望タワー、そしてお隣の西海町の外泊の集落を廻る予定だったのだが……。
 外泊行きのバスはお隣の城辺町のバスターミナルから御荘を経由していくらしいが、八幡野のバス停は留まらないらしい。路線図を見ると、お隣の平城札所前のバス停は停車するようで、時間を確認しに歩いてみる。
 道はやや狭くなり、両側に家屋や商店が並ぶ。御荘の町に入ったようだ。お遍路さんを対象にしたと思われる旅館も目に付く。平城札所前のバス停に行ってみるが、外泊行の時刻表はない。おかしい……。次の御荘のバス停まで行ってみると、外泊行きは5分程前、8時55分に出たばかりで、次は11時の発のようだ。
 そこで、御荘湾ロープウェイの方を先に見ることにする。八幡野の方に戻り、さらにロープウェイは南レク御荘公園前のバス停へ。ホテルサンパールの横からロープウェイが出ている。往復券と宇和海展望タワーのセット券を買い、ロープウェイに乗り込む。
 乗ったのは良いが、ロープウェイのゴンドラは四人乗りで小さく、乗っているのは私一人。普通はもっと大きく、乗務員の人が乗っていることが多いのではないだろうか。しかも海の上をしずしずと進んで行く。絶景だが、恐い。一人だけというのが、さらに恐怖心をかきたてる。自分がかなり依存心が強い人間だったことを思い知った。
 私は眺望が良い所が好きで、××の高上りではあるが、同時に高所恐怖症を兼ね備えているという困った人間だ……。

御荘湾ロープウェイ 馬背山より宿毛湾を望む

 ゴンドラからは御荘の町の地形が良く見える。僧都川沿いの細長い平地に開けた町で、そのままお隣の城辺町に続いているようだ。僧都川は、御荘湾の細長いリアス式海岸に注ぎ込み、岩松同様、海と川の境がわかりにくい地形になっている。
 ゴンドラは御荘湾を越えて、馬背山を上っていく。益々景色は良くなって行く。恐怖と絶景を楽しむ気持ちが入り混じった、複雑な気持ちだったが、無事到着した。
 宇和海展望タワーは、エレベーターなどで上階に上るのではなく、タワーに輪のような展望台が付き、それが回転しながら上下する構造になっている。次の発時刻までの短い時間、馬背山の山頂から、反対側の宿毛湾の海岸が見る。これまた美しい眺望だ。やがて展望タワーの発時刻が迫り、乗り込む。

宇和海展望タワー 紫電改

 展望タワーの観覧車はゆっくりと上りながら回転する。先ほどよりもさらに高い所から360°の眺望が楽しめる。御荘の町、御荘湾の先の方、宿毛湾……。素晴らしい眺めだった。

 さて、この馬背山山頂には第二次大戦で宇和海に撃墜された旧日本海軍の戦闘機・紫電改が展示されている。長らく海の底に眠っていたものが引き上げられ、外装を整えられてこの展示館に設置されている。私は小型のプロペラ機というと、ペルーのナスカで四人乗りに乗ったことがあるが、そのときの飛行機よりもずっと大きいようなきがする。
 展示館では、引き上げられたときの様子や、往時の紫電改の写真なども展示されていた。

 再びロープウェイに乗って、南レク御荘公園前まで戻る。今度は少しなれて、写真なども撮ることができた。

10.観自在寺

 外泊行きのバスに乗ろうと、平城札所前のバス停へ歩く。10時55分。なんとか間に合った。11時をすぎる。ふと城辺方面を見ると、バスがやってくるが、手前で右に曲がってしまう。いやな予感がする……。バスが曲がった方に行ってみると、こっちにもバス停がある。外泊行きの時刻表も載っている。逃してしまった……間抜けな自分に腹が立つが、怒ってもしょうがない。次のバスは午後1時頃だが、これでは帰ってくるのが5時を過ぎるようだ。それから松山へ帰るとなると、到着は9時頃になってしまう。
 外泊行きは諦めて、近くの観自在寺を見学する。きれいな庭園のようなお寺だった。
 この後、城辺まで歩いてみる。バスターミナルに着くと、ちょうど御荘方面のバスが出るところで、八幡野まで乗っていく。ホテルで荷物を受取り、午後1時すぎのバスで宇和島へと戻る。

観自在寺

 

観自在寺 御荘町・城辺町市街図・バス停MAP

11.椿の湯

 午後2時過ぎに宇和島へ到着する。松山行きの特急は40分後。宇和島にきたのだから、なんとしても鯛めしを食べたいのだが、40分とは微妙な時間だ。駅前をうろうろする。一つ列車を送らせて、食事をしようかとも思ったが、外泊も見逃したし、あきらめて、コンビニで弁当を買う。結局列車の中で遅い昼食を取ることになってしまった。
 午後4時頃松山に到着。市電で大街道へ。松山を代表するZホテルへ。今回、松山には二泊するが、一昨日(10日)は温泉付のホテル、そして今日はちょっとリッチにZホテルと、タイプの違うホテル、それぞれ楽しみにしていた。(といっても、インターネットで予約していたので、かなり安くはなっていたのだが……)
 Zホテルは5年前、松山を訪れたときに宿泊し、さらに7年前に知人のM氏を訪ねたときに食事をした懐かしいホテルだ。チェックインをすると、ベルガールが部屋まで案内してくれる。部屋に入る。ちょっとリッチな雰囲気に浸る。たまにはこんな気分を味わうのも良いものだとおもう。
 部屋で休む間もなく、市電で道後温泉へ。今回は別館の”椿の湯”へ。今まで本館の方に入らないと損なような気がして素通りしていたが、ずっと気になっていた。鉄筋コンクリートで本館とはまた違った、なかなか立派な建物だ。浴場の方は、本館(神の湯)とほとんど同じつくりになっていた。本館の男湯は二つに分かれているが、別館は一つだけで、その分広くなっているようだった。
 風呂から上がり、コーヒー牛乳を飲む。さらに道後の温泉街で伊予柑ソフトを食べる。そのまま本館の裏手に廻り、ネオン坂を上がる。このあたりはかつては遊郭があったあたりだ。その上には宝厳寺がある。一遍上人誕生の地であり、子規が

色里や 十歩離れて 秋の風

と詠んだ寺だ。そろそろ日が暮れてきた。坂を降りて、道後温泉の駅へと向かう。

 

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