「看護師等就職相談会」(県主催)が19日、青森市内で開かれ、医療現場での活躍を目指す看護学生約100人が県内各病院の特色や勤務実態を情報収集し、来春以降のデビューに備えた。看護師の就職をめぐっては、新基準の導入(2006年)で首都圏の医療機関がこぞって増強を図り本県への攻勢も激しいため、県内の人員確保がままならない状況が続く。県は「他県の待遇が良くても厳しい労働を強いられるケースがある。将来的なUターンにも役立てば」(医療薬務課)と成果に期待を込めている。
 相談会は、動きが早い県外求人に対抗し情報提供の場を設定して看護学生の県内定着を促すのが狙いで、昨年に続いて2回目。
 再来年に卒業する3年生が中心で、医療機関は県下30団体が参加した。リクルートスーツに身を包んだ学生が各ブースに詰め掛け、採用担当者の説明を熱心に聴く光景が見られた。
 2006年の診療報酬改定に伴い出された新基準は、従来の入院患者10人に対し看護師1人という配置基準を見直し、「7対1」にすれば入院基本料が上乗せされ収入増につながるもの。全国で看護師の争奪戦が展開され、本県でも破格の待遇で求人活動をする他県病院があるという。
 県看護協会の斎籐文子会長は、看護職求職者に無料職業紹介や就職相談を行うナースバンク事業への登録を呼び掛けながら、「若い時は東京で華々しく働き、知識を身に付けたい気持ちは分かる。県外に出ても5年、10年たったら県内で働きたいと思うはず。登録者にはいつでも情報を届けます」と語った。
【写真説明】看護師の“卵”が将来の勤め先を吟味(青森市文化会館)