飛べ!紫電改製作記
仕様−エンジン4サイクル90を予定、
1.製作開始 平成13年7月
今回は、曲面が多い為に整形の簡略化とTOTALの重量軽減を目指し、垂直尾翼一体型のグラス
胴にチャレンジしました。また、キットがないので、カウリングやキャノピーの製作も同時に紹介しま
す。
イメージ
イギリスのテーラー氏の図面を購入し、ほぼスケールは満足できるものの、キャノピーが若干小さ
めなのと、胴体はボックス構造に胴枠を取り付ける構造になっており、各胴枠切り欠きを設けこれ
に接着していく方法がとられていた。今回は、胴体をグラスで製作の為切り欠き部の修正と翼の
取り付け方法は、MKのLサイズウイングボルトで取り付ける方法とした。
@型の製作 平成13年7月〜8月
胴枠、垂直尾翼のリブを半分ずつに切り、左右の型を3mmベニヤで製作、製作台に設計図を貼
り、その上に接着していく。(台も半分ずつ)その隙間を発砲スチロールで埋め、サンディングをし
全体の形を整える。仕上げとして、下塗りにレジン(発砲スチロールを溶かす為)上塗りに、FRP
樹脂を塗る。表面のザラツキ、凸凹をサンドペーパーで整える。(これが、いやになるほど固く、部
屋の中でやると粉まみれで大変)
Aガラスクロス張り 平成13年9月〜12月
離型材を型の表面に2回程塗る(乾くと薄いフィルム状になる)
FRP樹脂を軽く表面に塗り、ガラスクロスを張り、更に上からFRP樹脂を塗る。
これを2回繰り返す。乾いたところで、ガラスクロスの硬化した型を抜く。
水平尾翼を図面通りに、製作並びに垂直尾翼のヒンジラインが合わせ目となる為
このラインに沿ったスパーを切り出しておく。
B胴体の接着 平成14年1月〜4月(組込用胴枠と水平尾翼製作、尾輪取り付けを含む)
貼りあわせ部分を約1cmずつフランジを作っていたので、まずフランジを正確に合わせると共に
胴枠をまずどちらかに前もって接着し位置決めをしたあと接着する。(特に、最前方のラジアル
マウントが取り付く、バルクヘッド胴枠の傾きに特に注意する。次に、接着を完了したら、フラン
ジ部分をカットし、接着部分の内側に、再度ガラスクロスを約2〜3cm貼る。この時、胴体を合
わせてしまうと水平尾翼が入らなくなる為、胴体を合わせる前に、内側より左右それぞれ挿入
し、接着面に30分硬化型のエポキシで接着する。合わせ面を整形し、全体の形を整える。
尾輪は、引き込みとする為後部胴体の強度確保の為、胴枠を2枚追加した。また、この引き込
み用に、プッシュプルのフレキシブルロッドを翼フィレットの付け根まで、バルサ棒で固定した。
(胴体画像の左の黒いライン)
エレベーターの取り付けは、リンケージを内装式とする為、コの字型のロッドで左右を繋ぎ
(Uコン方式)ホーンを半田付けした。リンケージを容易にする為、実機同様の位置に水平
尾翼下のアクセスパネルを設けた。エレベーターは羽布張りとし、トリムタブ(バルサリブ組
で0.1oアルミで被覆した)を追加実機のトリムロッドも再現した。(飛行優先の為、実際はダ
ミーとするが、フラッターの原因とならない方法を検討中))尾輪は、アメリカ製の引き込み脚
とした。
Cカウリングの型の製作 平成14年5月〜6月
まず、オス型を作る為、スチロールに、上下面の側面図を貼り、最初は四角に、カットしイメー
ジを持ちながら、角を取り丸く整形して行く。(1/48のプラモデルを以前に作っていたので、
これと学研の歴史群像シリーズNO 「紫電改」の写真を見ながら、上下のインテーク部分をイ
メージしながら、整形した。)胴体の型と同様に、そのままFRP樹脂を塗るとスチロールを溶かす
ので、レジンを塗り、整形後、FRP樹脂を塗り、硬化させた。
Dカウリングの製作
カウリングの型に、離型材を塗り胴体と同様に、FRP樹脂→ガラスクロス→FRP樹脂→ガ
ラスクロス→FRP樹脂の順で、積層させ硬化させる。
はたと考えたところ、カウリング全体が、硬化した時果たして、すっぽりきれいに抜けるのか
大いに疑問のところであったが、最近進行状況が余り良くないので、作業を進めた。
案の定いざ、型を外そうと思ったところ、端はめくれあがりそうなのだか、それから一考にめ
くれる気配無し、仕方ないのでスチロール型を内側より、粉々に潰しにかかり、やっとカウリ
ングが外れた、特に前面のインテークが上下にあり、この部分がひっかかりどうしても抜け
なかった。
Eキャノピーの製作 平成14年7月
紫電改の特徴であるキャノピーは、イメージ的に長くなるとインパクトが薄いので実際の
縦比を短くし、ズングリを強調して図面を再度作り直した、これで約1/8スケールとなる。
木材(できれば、ワンブロック)で、まず幅と長さを実際の大きさにカットしの側面、上面図、
前面図を貼り、整形して行く。初めは鋸で大きくカットし次にカンナ掛け、サンディングの順
で行う。 仕上げに、サンディングシーラーで、厚めに塗り、木目を止める。
キャノピーの材料(塩化ビニール)を止める為、木枠をベニヤとヒノキ(いずれも、ホーム
センターの歯切れ厚さ10o)で製作、角には強度維持できるようL型金具を取り付け、
それぞれ4mmドリルねじ(木枠に止める為の、塩化ビニールに穴明けが不要)で取り付
けた。(第1図)以下、キャノピーが、完成するまでの過程を説明します。
1回目−1o厚を使用→失敗、ミニコンロであぶり、木枠毎型に押さえつけるが、キャノピ
ーのすそが広がってしまい、指で押さえつけ何とか形になるが、透明度が不足、
すりガラスのようになってしまった。
2回目−0.5o厚を使用→透明度は、1o厚よりでるものの思いっきり、押さえつけると
キャノピーの上部から、破れてしまった。(この時も、ミニコンロを使用)
3回目−木枠で、材料を加熱後押さえつけると、すそがどうしても広がってしまうので、す
そ押さえ枠を製作、材料と接触する断面は、アルミテープで保護した。(第2図)
ようやく気持ちよく、型通りすそ(一番根元)まで、きれいに形ができあがり、バ
ッチシと思ったところ、今度は加熱しすぎて、上下にスジが入り、透明度が不足
した。(第3図)
第1図第2図
第3図第4図
4回目−ラジコン談話室で、過去ログのBBSを検索し、加熱に使用するのは、ガスでは
なく、全体を暖める為、「ホットプレートを使用する事、また、加熱時、材料の表
面が、溶けると(スジが入り、白く濁る)透明度がなくなる。加熱した面の裏側よ
り型に押さえつける。材料は、0.5oくらい薄い方が良い。」を、念頭に入れ、
家にあった、ホットプレートを使用ちょうど木枠毎上に乗ったので、柔らかくなる
過程をにらめっこし、いったんピンと張り、スジが入る直前を見計らって、型に押
し付けた。すかさず、すそ押さえつけマシーンで根元を押さえつけ、大成功した。
(第4図)透明度は、バツグンでした。
Fスピンナーの製作 平成14年8月
オス型の製作、まず、オス型を設計図通りに木型にケガキ、正確な円錐状になるように、 中心にスタッドをねじ込みドリルで加え、サンドペーパーで表面を滑らかにする。仕上げに
サンディングシーラーを塗り完成させる。
オス木型
メス型石膏
メス型の製作、オス型の木型を利用し適当な容器に石膏を入れメス型を採る。
この場合、オス型に離型剤を塗り乾燥後行う。
完成スピンナー 上部の本体とプロペラをエンジンシャフトに押さえるハブ(アルミプレート)
下部のスカートの3つで構成した。エンジン取り付けの際、アルミプレートハブとプロペラ
をエンジンシャフトとナットで取り付け(先にエンジンシャフトにスカートを通しておく)
本体を上から被せ、スカート部を下からハブに押し付け、スクリューで下から結合する。
G平成16年2月
透明のカバー作成の為、木型を整形して型を取る 電球の端子をラダー下部に差込エポキシで固定
細い電線をよじって作りラダーヒンジ中心より入れ
ここより、分けて両サイドより端子へハンダ付け
Hエレベーターのトリムタブ取り付け 平成16年2月14日
|
(トリムタブダミーの取り付け) 0.5mmのアルミ板をタブ用として、トリムタブ(実機は タブは、アルミ合金)エレベーター全体はハフ張りとの違いを強調させた。実機同様に、トリム使用を思考したが、シビアな場所であり、ガタが出ると飛行性能に悪影響がある為、トリムの作動を廃止し、トリムのヒンジ止めをやめ単に、2mmのピアノ線を両端約1cmずつエレベーターとトリムを接続し固定とした。どのように接続すべきかずいぶんと迷ったが、しっかりと固定できたので、まず飛行には影響が無いと判断した。 |
Iラダーのトリムタブとトリム接続ロッドの取り付け
Jラダー部尾燈の内部処理と透明カバーの取り付け
|
透明カバーは、キャノピーと同様に、木型より例の如く加熱し、押し付けて、型を取った。尾燈は、昔プラモデルでは単に 白と書かれてあったので、本当に白色を塗っていたが、 実機では、透明である。また、レンズは使い込まれると クリアー度は悪くなりスリガラス状である。あえて、きれいに 型をとる必要もなく、キャノピーの失敗作の用に透明度が 低くなるように処理した。 内側は、アルミテープを張り反射するように処理したが 玉切れ防止の為、透明のLEDを使った。指向性が強く 不向きだったが、カバーを瞬間接着剤で止めたとき、いつも 白濁で失敗したと思ったが、予想外にLEDが白くなったので ホンワカになった。(失敗は成功の元とはこの事) 画像では、点灯してみた。 |
Kコックピット内座席とヘッドレスト支柱 平成16年4月13日
ヘッドレスト支柱で、転倒時パイロットの保護を目的としている。実機では、上部は、スティールでボックスは木製である。
1mmと3mmベニヤ、アルミ0.5mmで製作。零戦は、後部胴体と一体構造になっており、木製ではなくアルミ合金となって
いる。
座席を1/7にスケールダウンし、アクリルシー ト、アルミ(0.5mm、0.2mm)を使用し、バケット 部と座席の架台アーム等を製作した。図は 右側でサイドブレーキレバーのような物が、 架台に取り付きこれを上下に調節してシート の高さを調節するようになっている。 上部のアームと架台のシャフトに取り付くヒン ジは、機体のコックピットの後部に、ハノ字に 取り付くパイプに取り付く。 左側は、写真が見つからず苦労したが、結局 上下調節のレバーは、右側のみなので、架 台から延びるアームは、シート下部に直接取 り付く構造になっている。これについては、後 ほど、別のページで図解で説明しようと思う。 参考資料-局地戦闘機 紫電改(学研)、モデ ルアート紫電改、エアロデティール 紫電改 |
|
正面より、シート下部と左側板のみ軽目穴があ る。零戦のシートは、背中の板も軽目穴が、多 数あけられているが、川西飛行機では、生産 性を考慮して、軽目穴は、必要最小限にして いる。ここにも、零戦と紫電改の違いが見られる。 2000馬力のエンジンを搭載では全体の重量 よりも、生産性向上を狙っている。一部の資 料では、当時川西職員の間では、零戦の軽目 穴のことを「バカ穴」といって、軽蔑していたと か。一番奥には、アングル材が入っている。 これが、座布団の高さになる。 |
|
うれしがって、薄いスポンジをガーゼを重ねて座布団を作ってみた。 (こんなことしてるから製作が進まない!) シート全体の色を塗る前に、座布団のみ機内色で塗装をしてみた。とても、いい感じ? 下の画像は、左-下部取り付け、右-上部取り付けを示す 実機と同じようにハノ字パイプに架台取り付け用ブラケット が付き、これにシートの上下(4ヵ所)が、取り付く。 ハノ字パイプの上部にプーリーが付き、ゴム紐でシート全体 のクッションとなる。プーリーは、見つかったが細いゴム紐が 見つからない。ヘアーバンドは、白が無く、手芸用品屋さん に今度いってみようと思う。 |
塗装完了後
L平成16年6月 計器板完成
ワードによる計器板の作り方を知りたい方は、右をリンクして下さい。計器板の作り方
使用材料、0.5mmアルミ板、透明アクリル0.5mm板 、計器板印刷紙を裏から貼った。まだ、不足部分が、電路切断器、燃料切り替えコックなどあるが、取りあえず完成した。スケールは、1/7。薄板に10mm前後の穴を空けようとすると、クシャクシャに板が反り返ってしまう。 当初ポンチで、空けようとしたが、切れ味悪く失敗。 調べて見ると、ステップアップドリルもあったが、ホールソー式ドリルを使用すると、簡単に穴が、きれいに空いた。 右下は、オイル冷却器シャッターハンドルを再現した。 細かくいうと、各計器の名板も必要か、しかし、小さすぎて読めない! |
キャノピーその後-開閉式に改造
キャノピーは、前方、中央、後方の三つに分けた、それぞれ二枚ずつ製作し、キャノピー枠を再現した。
Mカウルフラップの可動 平成16年8月23日
当初、シャフトの回転により、それぞれのカウルフラップのリンクを直接作動させようと思ったが、シャフトの回転を片側4枚のカウルフラップに伝えようとするとユニバーサルジョイントを使用しても、角度がきつく、回しきれなかった。 零戦の図面集を参考に、カウルフラップの構造を真似た。 結局、円周上にカウルフラップの数だけベルクランクを設けて、それぞれをリンクで伝える仕組みとした。構造を複雑にしたくなかったが、単にロッドをクランク字型に曲げて接続すると全体の動きが渋く固いため、ボールベアリングを利用して、動きを軽くすることができた。 |
|
向かって、上の二つのベルクランクを外側に回転させると、カウルフラップは開き、内回りに回転すると閉じる。 このベルクランクの間に更にベルクランクを使ってエンジン隔壁の内側よりロッドで作動させる予定。 当初片側のカウルフラッブの製作でなんだかんだで、一週間、作動機構で途中、ベアリングが足りなくなり三日間、もう片方のカウルフラップの製作と可動調整で三日間かかった。 |