炎のヨーコ後援会発足③
次なる出し物は「タバコ飛ばし」。指名されたお客さんがあそこから噴射されたタバコをキャッチします。第一トライアルに選ばれたのはわれらが山本デスク。御大の登場に探検隊一同の期待も高まります。
「いきまーす!」
との掛け声と共に放たれたタバコは、横浜ベイスターズ・クルーンばりのスピードで山本デスクの額を見事にとらえました。眼にも止まらぬとはまさにこのこと。まさに顔射といっていいでしょう。爆笑が館内を包みます。次なるキャッチャーは先ほどから大騒ぎの浴衣坊主。ヨーコさんに指名されるや、「メガネ、メガネ」と言って鞄の中を探し始めたオッチャン目がけて射られたもう一本、今度は浴衣の懐へ絶妙なフォークボールとなってすっぽり。その絶妙な緩急に見るものすべてが翻弄されるのでした。
ショーのクライマックスはなんと言っても「ファイアー」。彼女が「炎のヨーコ」と呼ばれる至芸は、ご想像通り、あそこから三メートルほどの火を吹き上げるというものです。
「消防法など完全無視のこの芸、なんとお股から火を噴きあげてみせます。前に座っているあなた、そうあなたですよ。危ないですからくれぐれも、前に身を乗り出さないでくださいね。大丈夫?」
と指さされたのは何を隠そうこの私。彼女の股間より突き出た噴射ノズルはピタリとわが額へ向けられたのです。その距離の近いこと。思わず自分の頭が「ラーメン大好き小池さん」のようにチリチリになった姿を想像してしまいます。
「見事にお股から炎が上がりましたら、みなさんご一緒に『ファイアー!』と叫んで下さいね!」
ヨーコ嬢は点火したアルコールランプを私と彼女の股間の間にセットし、左手を高くあげ、
「いくよっ!」
掛け声に合わせて照明さんが舞台のライトを落とすや、
「ブフォーーーーー」
いきなり炎のカタマリが鼻の先までやってきたのです。
とにかく熱い! もの凄い熱風なのです。ビックリしてしまい、初めて見た時のように純真無垢に「ファイアー」と叫ぶことが出来ません。
「ちゃんと、『ファイアー』言わんかい」
もちろんつっこまれます。観客とヨーコさんが炎を通して一体にならなくてはこのショーは完結しません。われながら修行の足りなさを実感しました。今度はどうなってもいい、たとえ自分の頭がスキマスイッチの常田さんみたいになっても仕方ないと覚悟を決めます。次なる炎が吹き出ると同時に、
「ファーヤー」
と心から絶叫。日ごろのストレスや俗世の煩悩から解放され、まさに至福の瞬間を迎えることができました。完全に「イっちゃった」と言っても過言ではありません。
公演後の懇親会にはヨーコさんも駆けつけて下さいました。聞けば以前のお客さんにはのヨーコさんのファイヤーを浴びて眉毛を焦がした方もいらっしゃるとのこと。伊達や酔狂で「炎のヨーコ」を名のっているのではないのです。
懇親会なかばに西埜記者が発起人となり、ヨーコ嬢の後援会結成が高らかに宣言されました。もちろんこれだけの顔ぶれがそろっているのですから単なる応援団で終わるわけにはいきません。もはや絶滅危惧種と化しつつある古典芸能「花電車」を歴史的遺産として後世に伝えなくてはならないのです。今後はヨーコさんの重要無形文化財指定を勝ち取るべく、文化庁との政治折衝につとめる所存であります。
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コメント
んちゃ!
ペンギン村
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投稿 | 2007年11月14日 (水) 17時57分