県から工事停止命令が下り、遊休化しているトレーラーハウス=北谷町伊平
【北谷】北谷町伊平でトレーラーハウス(移動型住宅)のレンタル業を開始しようとした業者に対し、県が建築基準法の手続きを求めて設置工事の停止を命じていたことが、9日までに分かった。トレーラーハウスを不動産と見なし、設置に対して行政命令を下すのは県内では初めて。業者側は「県内にも既に導入されている事例があるにもかかわらず、一方的だ」と動産としての扱いを主張し、建築審査会に異議を申し立てている。
業者は沖縄での長期滞在を希望する県外のシニア層を対象に、トレーラーハウスのレンタル事業を計画。体験利用として宿泊を行うため、8月下旬の開業に向けて、12台を敷地に運び入れた。しかし、6月に県土木建築部から設置工事の停止命令の強制執行を受け、電気、水道を止められ、遊休化している。
同社が扱うトレーラーハウスは、床面積が40平方メートルほどのコンテナ型で、リビングや寝室、キッチンなどを備えている。底部に車輪がついていて、自動車でけん引して移動させる。
トレーラーハウスは米国で広がり、近年では国内の輸入量も増えている。これを受け国は1997年に「規模、形態、設置状況等から判断して、随時かつ任意に移動できるものは、建築基準法に規定する建築物には該当しないものとして取り扱う」との通知を、各都道府県に行っている。
この解釈をめぐり、両者の間で見解が対立する。業者側は「水道、電気も着脱式で、『随意かつ任意』にいつでも移動ができる」と主張。県建築指導課は「『設置されている状況』において、建築物という判断。建築基準法にのっとった手続きが必要だ」と反論する。さらに県は「廃バスなどを利用した店舗のように、設置場所に固定して使用される場合には、建築物と見なす。設置後に固定資産税が必要となり、購入者が業者を訴えている事案もある」と説明する。
業者は昨年10月に関係機関と事前協議を行い、許認可が必要ないことを確認。金融機関から借り入れして開業準備を進めていた。県は「当初はキャンピングカーのようなものだと思っていた。大きな資金を投じて営業するわけだから、長期の固定化があっては、今後の影響が大きい。建築審査会の判断を待つだけ」と理由を述べる。
業者は「当初は許認可がいらないという確認を得て進めていたはずなのに、なぜ行政側は態度を急変したのか。新たなビジネスモデルとして意気込んでいる。納得がいくわけがない」と不信感をあらわにしている。
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