< 児童精神科医になるには…その3。 | メイン | 広汎性発達障害について考えてみる。 >
2008.07.13 23:03 |  診療  |  NINA  | 推薦数 : 0

初診が勝負。

児童精神科とは少し話が逸れますが…、

診療するとき、私自身が心がけていること。
それは、「初診が勝負!」ということ。

ひとくちに精神科を初診する患者さんといっても、受診目的は実にさまざま。
不眠とか気分の落ち込みとか本人自身に困っている症状があって、それをなんとかしたい、
と思って受診してみたとか、
本人には特に困っていることはないのに、本人の症状に対応するのが大変になった
家族や周囲のひとが本人を連れて受診してみたとか、
本人が家庭や職場のストレス状況に苦しめられていて、そのことを訴えに来ているとか

受診目的がさまざまである以上、こちらが一様に
「じゃあお薬を出してみますので、また2週間後に」
という対応でお返しするわけにはいかないのは明らか。

せっかく受診していただいた患者さんのお役に立ちたいのはもちろんですが、
患者さんの望んでいるような対応ができないことがある、ということも
知っていただかないといけません。

まずは、患者さんのニーズを明らかにし、共有すること。
そのうえで、治療の目標・方向性をお互いに確認すること。
診療のなかでできないことは「無理」とお伝えしてお詫びして、
自分のところでの診療以外の代替案があればご紹介すること。
患者さん本人に治療の動機づけまったくない場合は、ご足労いただいたことを
ただただお詫びするだけのこともあったりします。
(外来診療しかない今の職場では、本人が望まない場合は治療する手立てがないのです…。)

なにより「あー、今日は思い切って来てみてよかった!」と思っていただきたいし、
少なくとも受診したことで嫌な思いを抱えてお帰りいただくのだけは避けたい。


私が初診の時に患者さんにいちばんお伝えしたいのは、
「治すのはあなた自身、私はそのためのお手伝いをさせていただきます!」
という、診療上の私の役割・スタンス。

患者さん自身の「なんとか頑張って治していこう」という気持ちを
最大限に引き出すのは私たち精神科医の役目だと思うし、
治療意欲のない状態の患者さんをただ「なんとなく」診続けるという状況は
できるだけ作り出したくないのです。

そんなわけで、初診にはとってもこだわっています♪

 

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