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2008年7月20日

 日本の「幸福度」は世界の43番目だった。米国の機関が100カ国を選んで調査をした結果である。人間の幸せを数値化できるのか疑問も残るが、興味深い調査ではある

ベスト1がデンマーク。ワーストはジンバブエだが、順位よりも調査に使った質問が面白かった。(1)非常に幸せ(2)まあまあ幸せ(3)さほど幸せでない(4)まったく幸せでない、のいずれかを聞いた結果だという

人の一生を幸不幸で表すと確かにこうなる。が、人生いろいろ。貧しくても好きな人といるだけで「非常に幸せ」な新婚さん。「恵まれているのにその幸せに気づかない」若者たち。自分は今どこかと余計なことまで考えた

亡くなって1年近くになる阿久悠さんに「未成年」という歌がある。「何がしたいのか。夢はあるのか。親は好きなのか。いい子でいるのか。そうでもないのか」などと、補導官が非行少年に語りかけるような言葉が連なる変な名作である

親に叱られてバスジャックした14歳がいる。叱ってくれる親がいる幸せに気づかない。父を刺殺した女子中学生がいた。思春期特有の歪みなのか。今の世の不幸なのか。


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