全国で硫化水素による自殺と2次被害が多発する中、四日市市消防本部は、火災現場で使う煙の送排風機などを利用して硫化水素ガスの除去装置を2基作った。同本部によれば、県内の消防機関では初めてという。
装置は同消防本部消防救急課が大阪市消防局の装置を参考に、18日までに約1カ月かけて製作、実用化した。送排風機で吸ったガスを活性炭で除去する。
送排風機を置く台座は2種類で、大型が木製(高さ約42センチ、幅約52センチ、奥行き約43センチ)で活性炭を6~8キロ入れる。小型は円筒形一斗缶に木製の組み立て型の脚を付けたもので、活性炭は4キロ。今後は消防救急課で使う。
3畳の部屋での実験では、大型は約25分、小型は約40分でガスを除去できたという。市内で硫化水素を使った事故は起きていないが、後藤善博消防救急課長は「2次被害防止のために用意したが、これを使う事態を起こさせないことが重要だ」と話している。【清藤天】
〔三重版〕
毎日新聞 2008年7月19日 地方版