モンタナ州ビリングス(AP) 今年3月に米内務省が絶滅危惧(きぐ)リストから外したロッキー山脈北部のハイイロオオカミが、再びリスト入りすることになった。環境保護団体などの訴えを、連邦地裁が18日に認めたため。
絶滅危惧リストからいったんは外れたオオカミは、モンタナ、ワイオミング、アイダホの3州にかけて生息しており、その数は約2000頭と推測されている。
20世紀初めに絶滅寸前だったが、保護活動によって個体数が回復し、内務省は絶滅の危機を脱したと判断。絶滅危惧リストから外したことで、今年の秋から狩猟が可能になる予定だった。
しかし、環境保護団体などは、狩猟が解禁されれば今年の秋だけで約500頭が殺されると主張。内務省の判断は現状を理解していないと批判していた。
連邦地裁のドナルド・モロイ裁判長は、種の保存の見地に立った場合、内務省の判断は生息数が十分に回復した基準を満たしていないと指摘。政府と狩猟解禁を許可した州の判断は、種の保存を脅かす可能性があると結論づけた。