押収されたがん細胞診断キット=警視庁
尿検査でがん細胞が見つかるとうたった効果のない診断キットを無許可販売したとして、警視庁は18日、神戸市東灘区向洋町中1丁目、輸入代行業「プロジェクトキャンサー」代表南秀明容疑者(63)、東京都中央区佃2丁目、医療サービス会社「マリア・クォールホールディングス」社長飯田祐巳(ゆうみ)容疑者(37)ら計3人を薬事法違反(無承認医薬品の無許可販売)容疑で逮捕した。
生活環境課と月島署などの調べでは、診断薬の名前は「CCDキット」。プロジェクト社などは、スポイトに尿を入れると9段階に色が変わり、15秒程度でがんかどうかが分かると宣伝していた。プロジェクト社が香港から輸入。同社は約3年間で、マリア社などに約3万セットを約3億2千万円で卸していたという。
警視庁が鑑定したところ、CCDキットの含有成分は水銀とニッケルだけで、効果がないことが判明。購入者のなかには、結果が陰性だったため手術を中止し、その後死亡した患者もいるという。
南容疑者らの逮捕容疑は06年12月〜07年12月、仙台市内の健康商品販売会社に国内では承認されていない診断薬1700個を計442万円で販売するなどしたというもの。