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医療資源、急性期への集約化は不可欠

 国際医療福祉大の高橋泰教授は7月18日、国際モダンホスピタルショウ2008の出展者プレゼンテーションセミナー(メディカルデータビジョン主催)で「医療制度改革の展望」をテーマに講演し、業務量の増加に伴う急性期病院の勤務医の疲弊などの問題を解消するには、必要性の低い領域の病床削減などにより医療資源を急性期に集中させることが不可欠との認識を示した。

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 高橋氏は日本の医療現場の現状を、欧米に比べて医師や看護師が「薄く・広く」配置されている一方、後期高齢者の増加や往診を行う開業医の減少に伴って急性期病院で勤務医や看護師の業務量が増加している―などと分析。これらが急性期病院の勤務医の疲弊につながっているとの見方を示した。さらに、医師がこうした現場を回避することで、医師の偏在が急速に進行していると指摘した。

 その上で、必要性の低い医療分野をダウンサイジングして、高度な急性期を担う病院に人材などの資源や財源を集中させることが不可欠との認識を示した。

 また、急性期病院の外来受診に制限を掛けたり、往診や夜間診療を行う開業医を組織化したりする必要性も強調。このほか、医師の偏在を解消するため、医師が不足していて緊急性の高い領域の診療報酬を引き上げる一方、必要性の低い分野の診療報酬は相対的に低くすることも提案した。
 必要性の低い領域の例には、病気でない機能低下状態の患者に対応する医療や、往診や夜間診療をしない都市部のいわゆる「9時−5時診療所」などを挙げた。

 講演で高橋氏は、高齢化がピークを迎える2030年代に掛けて医療ニーズの急増が見込まれるため、医療現場の負担軽減や必要な財源の捻出(ねんしゅつ)には、医療機能の再編や患者の意識変化が必要になるとの見方を示した。

 さらに、「これからは死に方の問題が重要になる」と述べ、終末期の患者に対する医療介入を少なくすることを患者が選択できるようにする必要性も指摘した。


更新:2008/07/18 22:47   キャリアブレイン


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