「携帯電話販売会社や消費者金融会社との株式交換で利益計上」ライブドア事件証人・丸山 サトシ氏への検察側主尋問
証人の業務
9 月期の予算
- ライブドアの平成 16 (2004) 年 9 月期の最初の予算は、各事業部や子会社の予算案から作成されていた
- ライブドアファイナンスによる投資事業は含んでいない
- 「売上高は 132 億円/営業利益は 22.7 億円」で、最初の予算案だからアグレッシブだった
- 「売上高は 100 〜 110 億円/営業利益は 7 〜 8 億円」が妥当、と感じていた
- 経営陣の考えで、全事業の増収増益が求められた
- 減収減益だと、各事業部長や子会社社長の減給や降格もありえた
- 判断は、堀江 貴文被告(ライブドア前社長)が行っていた
- 前年実績などから、予算案を現実的な数値に修正するのが仕事であった
- 堀江被告に予算案を報告したところ、容赦なかった
- 堀江被告は、ライブドアファイナンスによる投資事業が含まれないことは知っていた
- ライブドアファイナンスによる投資事業の売上は、10 億円が見込まれた
- イーバンク銀行との提携による 100 億円規模のファンドの設立報酬や管理報酬などが大半だった
- 上記予算を修正した
- 平成 15 (2003) 年 10 月下旬にイーバンク銀行との提携が暗礁に乗上げていて、ファンドの設立が困難になっていた
- その頃、中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)に、「株式交換で売上 18 億円を計上する」と聞いた
- ライブドア株の売却益をグループの連結売上にする
- 良くない予感はしたが、予算作成で手一杯で「数字がまとまればいい」という感覚だった
- 上記予算を修正した
- イーバンク銀行関連の予算の大半は実現不可能なので、消去した
- ライブドアファイナンスによる投資有価証券売上高の名目で 18 億円を計上した
- ライブドア株の売却益のみだと思う
- 12 月と 1 月に 9 億円ずつ分けて計上しているのは、四半期毎に平準化するためだった
- 平準化は、堀江被告ら役員の意向だった
- 上記予算を修正した
- 営業利益を 19 億円としていた
- 宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)に、「20 億円いかないと、堀江被告の承認が取れない」と言われた
- 20 億円に修正したファイルを 11 月 7 日に、メールで堀江被告に送信した
- 同日、堀江被告から「携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズの分も、予算に盛込まなくてはいけないのではないか」という返信メールが届いた
- 11 月 10 日(月)に、大和生命ビルの地下レストランで打合せを行った
- 出席者は、堀江被告・宮内被告・証人・堀江被告の鞄持ちの学生(何かの企画のインターン)だった
- 携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換も計上していることを口頭で説明した
- 堀江被告は何も言わなかったが、分からないときは質問するので、説明を理解していたと思う
- 予算の最終案を作成した
- 堀江被告に、「営業利益が 20 億円では少ないので、経常利益を 20 億円にできないか」と言われた
- 株式市場の期待を上回り、ライブドアの株価を上げることを意識しているようだった
- 中村被告に相談し、投資有価証券売上高を 20 億円に修正した
- 堀江被告にメールで報告し、11 月 18 日に「概ね OK でしょう」という承認を得た
- 平成 16 (2004) 年 2 月の決算短信で、経常利益を 20 億円から 30 億円に上方修正した
- 熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)に、「ライブドアの株価も上がったし、消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムとの株式交換もあるから」と言われた
- 中村被告に相談し、ライブドアおよびグループ全体の予算を修正して、堀江被告・宮内被告・熊谷被告に報告した
- 熊谷被告を通じて堀江被告の了承を得た後、一部修正して決算短信で公表した
- 5 月の決算短信でも、経常利益を 30 億円から 50 億円に上方修正した
- 堀江被告に、「経常利益を 50 億円にしたい」と言われた
- 希望的観測の数字で 50 億円になるように修正して、堀江被告の了承を得た後、決算短信で公表した
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