Tottori City News Letter   
とっとり市報2005年6月1日
    

合流式下水道を改善します

合流区域の説明図

合流式下水道って何?
 下水道には合流式、分流式と呼ばれる二つの方法があります。分流式下水道は汚水と雨水を別々の管で排水する方式で、汚水は処理場へ、雨水は道路側溝や雨水管で直接河川に排水する方法です。合流式下水道は、汚水と雨水を一つの下水管に集めて排水する方法です。
 合流式は、トイレの水洗化を進めるのと同時に、雨水排水もできるという二つの効果があり、下水道工事が始まった当時は、ほとんど合流式で整備され、全国では191の都市で採用され、本市でも市街地中心部325?を合流式で整備しています。

合流式ではなぜいけないの?
 合流式下水道には、所々に雨水の吐き口を設け、大雨の時は川に流れるようになっています。この水には処理されていない汚水も含まれ、川や海を汚すという問題があります。また、近年は都市化の進展や異常気象などにより浸水被害が増えています。これらの問題を解決するため、水質の保全と浸水対策の両面から、緊急の課題として、合流式下水道の改善に取り組むことになりました。

どんな方法で改善するの?
 改善をするにはどうしたらいいのでしょうか。市では平成26年を目標に、次のような7つの方法を考えています。

改善1 山地雨水のカット
昨年の台風でも被害をもたらした山地部分からの雨水を、雨水専用管で、直接、川に流します。

改善2 貯留管・増補管の建設
下水(越流水)が直接、河川に流れないよう、一時溜めておく施設で、浸水被害も防ぐことができます。溜まった下水は、雨が止んでから徐々に処理場に送水して処理します。

改善3 バイパス管の敷設
合流区域の汚水を、直接、処理場へ送水するためのバイパス管を敷設し、排水能力をアップします。

改善4 雨水吐き室の改造
川への放流施設(雨水吐き室)上に網状のスクリーンを設置し、放流水に含まれているゴミや固形物を取り除きます。

改善5 雨水滞水池の建設
降雨時、未処理の雨水を一時溜めておく施設で、秋里下水終末処理場の地下に建設し、雨が止んでから処理施設に送水して処理します。

改善6 高速凝集沈殿処理施設の建設
高速凝集沈殿処理施設とは、大雨のときの下水(汚水と雨水の混じりあったもの)を素早く処理する施設で、秋里処理場内に建設します。

改善7 部分分流化の推進(側溝の新設)
合流式下水道の区域325?のうち、旧袋川左岸側については、部分的に側溝の整備を行い、旧袋川、山白川、狐川へ雨水を放流して、部分的に分流化を進めます。

こう取り組みます
▼平成15年度 モニタリング調査を行い、合流式下水道改善計画を作成しました。
▼平成16年度 国に下水道事業計画の認可変更の手続きを行い、従来の計画に合流式下水道改善事業を組み入れました。
▼平成17年度 山地雨水のカット、雨水吐き室の改造に着手します。
▼平成18年度 貯留管の建設等を開始します。
これらの事業には、国の補助制度はあるものの、莫大な費用がかかります。ご理解とご協力をよろしくお願いします。
 
住民のみなさまへお願い!!
▼下水の汚れがひどいと処理費用も高くつき ます。油など大まかな汚れは、紙でふき取 るなどして、下水の汚れが少なくなるよう に、ご協力をお願いします。

▼雨水が一度に流出しないよう、宅地の緑化  などの配慮をお願いします。

▼公共下水道、集落排水が供用開始された地 域では、早期接続をお願いします。

■問い合わせ先 
市役所下水道庁舎下水道管理課 
TEL (0857)20-3309 電子メール gesui-kanri@city.tottori.tottori.jp
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同和問題シリーズ 332

元気のでる同和教育 第2弾 まちが動いた!

 今回は、人権について考える市民グループの啓発活動から発展し、町をあげてハンセン病問題について学習し、地元出身の方をふるさとに迎えた、用瀬町の取り組みを紹介します。
 用瀬町人権教育推進員の下田照子さんに、この活動の経緯や、思いについてお話を伺いました。

〜用瀬発〜 「ハンセン病療養所からふるさとへ」

 ♪らい予防法によって 私たちは 強制的に ここに連れてこられた…♪
 1999年夏、用瀬で開かれた「願児我楽夢人権コンサート」の中で歌われた「時の響きて」の一節です。ハンセン病のことを知ろうともしなかった私に、楔が打ち込まれた一瞬でした。どんなにすばらしい同和教育を推進していっても、具体的に行動しなければ前進しない、何とか取り組まなくては…と考えたのです。
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花束を受ける加賀田さん(右)

 療養所の鳥取県人会会長として、偽名で講演をされていた加賀田一さんを、故郷の用瀬にお迎えし、 2000年3月の町民集会を実現させたいと働きかけていきました。毎年3月に行っている町民集会を主催する用瀬町と町同和教育推進協議会(同推協)では、「時期尚早」、「差別のばら撒き」などの反対意見もありましたが、「人権文化学習会」という自主学習グループや、会を支える人たちの強い後押しがあり、開催することができました。
 当日は、加賀田さんの親戚の方、療養所にいる方々など、たくさんの思いが繋がった感動の集会となりました。
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町民集会のオープニングで
「人権文化学習会」のメンバーが
「時の響きて」を歌う

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熱心に聞き入る町民のみなさん

 この取り組みをとおして知った、終生隔離の「らい予防法」や、「無らい県運動」の実態を知れば知るほど、部落問題と重なるところがあり、これらの法律や施策が根強い差別や、偏見へと広がっていくことに気づきました。
 翌2001年5月、ハンセン病訴訟に勝訴し、国が謝罪したことはみなさんご存知のとおりです。
  その後、学校や地域で学習の機会が広がり、療養所への訪問も多くなりました。しかし、2003年12月の「黒川温泉、ホテル宿泊拒否事件」のように、まだまだ国民のなかに差別意識が残っているのも事実です。
 誰がいつどんな立場に置かれようとも、お互いが支えあい、身のまわりの不合理や矛盾に気づき、人権確立のために行動していける繋がりを深めていきたいと思います。


ハンセン病を正しく理解する週間
6月19日(日)〜25日(土)

  この用瀬町の取り組みから、ハンセン病について正しく知ることの大切さはもとより、知ったうえで行動に移せるというパワーや、人と人が繋がっていくすばらしさを見ることができるでしょう。
  私たちは、さまざまな場所や機会を捉えて学習したり、知識を得たりしますが、なかなか行動に移すことができません。しかし一人の力ではできにくいことも、人と人が繋がることによって、地域全体を動かすことができる、まさに、この用瀬の例は、「まちが動いた」ということではないでしょうか。
  同和教育は、それぞれの地域に住む人たちの人権意識を高め、一人ひとりが安心して生活できる地域づくりにつながっていきます。

■問い合わせ先
 
市役所第2庁舎人権・同和教育課 TEL (0857)20-3376

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