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【政治】

竹島領有権、初の記述 韓国反発し大使帰国へ

2008年7月15日 朝刊

 政府は14日、新しい中学社会科の学習指導要領解説書で、「竹島」(韓国名・独島)の領有権に初めて言及し、教育現場で日本の領土として理解を深めさせることを決めた。一方、この島の領有権を主張する韓国は強く反発、権哲賢(クォンチョルヒョン)駐日韓国大使の一時帰国を決定した。2月の李明博(イミョンバク)大統領就任を機に、「日韓新時代」をうたって修復にこぎ着けた両国関係は、竹島問題で再びきしみが生じることになった。

 文部科学省は14日、中学校で2012年度から全面実施される新学習指導要領の解説書を公表した。社会科では、日本と韓国が主張し合っている竹島の領有権について「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせる」との表現で初めて記述した。

 ただ、「我が国固有の領土」といったより強い表現は避けた。町村信孝官房長官は記者会見で「日韓関係がぎくしゃくすると、6カ国協議とか、拉致問題を含めた日朝間の諸懸案の解決にも悪影響を及ぼしかねない」と述べ、韓国側へ配慮したことを強調した。

 解説書は各教科で学ぶ内容を記した学習指導要領を補足し、教員の指導の参考にしてもらうために文科省が編集する。法的な拘束力はないが、教科書出版社は解説書に沿った形で教科書を執筆する。

 現在、地理的分野で竹島について記述しているのは6社中1社だが、4年後から使用される新しい教科書では、すべての出版社が竹島を取り上げるとみられる。

 文科省の高橋道和教育課程課長は、解説書で取り上げた理由として、改正教育基本法に「我が国と郷土を愛する」態度の育成が、教育の目標に新たに盛り込まれたことや、この10年間で竹島に関する国会質問や質問主意書が増加していることなどを挙げた。

 一方、韓国の指導要領は「日本帝国は日露戦争中に、独島を不法に日本の領土に編入」などと記述している。

 解説書は北方領土については、現行の「占拠されている」との記述に、新たに政府見解と同様の「不法に」との文言を付け加えた。

◆福田首相「記述は当然」

 福田康夫首相は14日夜、新学習指導要領解説書で竹島の領有権に初めて言及したことについて「わが国の領土問題について考え方を書かなければいけないのは当然だ。わが国にとって必要なことだ」と述べた。都内で記者団の質問に答えた。

<竹島問題に関係する解説書の記述>

 我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要である

 

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