動く前にもう1つ感じたのは着座位置の高さです。最近、個人的に位置の低いクルマばかり乗っているせいかもしれませんが、どうもスポーツカーらしい雰囲気に欠けます。これは上下方向に厚みの薄いフルバケにでも替えて解決したいところです。さらに着座位置の問題に加えてチルトステアリングすらないせいで、ドライビングポジションも最後までしっくりしませんでした。
走らせると登場から9年が経つ上に最終モデル?ということもあってか、クルマ自体は完熟の域に達しているように思いました。2200ccになった05年秋以降のモデルに比べても、ボディやミッションなど格段に良くなっています。
ですが、「S2000のエンジンはメチャクチャ凄い」といった先入観を持っていると、意外とエンジンが高回転でスムースでなかったり、VTECのハイカムの回転域が6000回転から8000回転までなので美味しいところを味わえる時間が短いなど、正直期待ほどの面白みはありませんでした。もちろん2000cc時代より扱いやすくなって、数値はダウンしても速いというのは分かっているのですが。
もう1つ不満なのは何が原因なのか分かりませんが、普通に乗っていてワクワクしないというか今ひとつ楽しくないことです。オープンスポーツカーというクルマの中では相当の嗜好品なのに・・・。サーキットを全開で走れば、きっと降りたくなくなるくらい楽しいのでしょうけど。
でも、久しぶりにS2000をジックリ見ると、いかにもスポーツカーらしいスタイルでカッコいいと思いました。もちろん、新車は買えないですが、2000cc時代のS2000を検証する意味も含めて中古車のS2000を調べている自分がいました。
ちなみに年式、走行距離、事故歴等を妥協すれば、150万円以下でも十分見つけられそうです。それが正しいのかは分かりませんが、安いS2000を自分好みに直し直し乗るのも面白いといえば面白いクルマの乗り方かもしれません。
燃費は350kmほど走ってリッター10kmちょっとでした。