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ブログ:ジャパンブログアワード入賞者に聞く~6回 Bermudaさん

バミューダさんのブログ
バミューダさんのブログ

 日々、ブログをつづっている一般の人を表彰するジャパンブログアワード2008。3月の表彰式で趣味・暮らし部門賞に輝いたのは、Bermuda(バミューダ)さんの「産婦人科残酷物語2」。受賞後のブログタイトルは「毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち 産婦人科残酷物語3」に変わったが、産科医療の現場の厳しさは変わっていない。そんなバミューダ医師に、ブログだけでなく、産科医療のことも合わせて聞いた。【まとめ・銅崎順子】

 ◇不思議な文体の向こう側

--どうしてブログを始めようと思ったのですか。

バミューダさん:3年程前から始めたのですが、当時、土日も病院に行っていて、入院患者さんに「先生、趣味はないの?」と聞かれたんです。その患者さんが、ホームページを作っていたこともあり、挑戦したのですが、知識が足りずに続きませんでした。ちょうど同じころに、ブログを知って簡単そうだなと思い、一つ作ってみたのです。その時は、その患者さんと同僚と3人くらいの読者がいました。やっているとおもしろくなって写真とか載せたいなどと思って、素人でもいろんな機能を扱えそうなアメブロを始めました。ただ文章を入れるだけになってからのほうが続くようになりました。ランキングも、最初は下の方だったのが、どんどん上がっていくのは楽しみでした。

--アワードの趣味・暮らし部門というのは、ちょっと違うかなとも思ったのですが。

バミューダさん:他に適当な部門がなかったので。賞をもらってからは、アクセスが増えました。また、半分以上の方が携帯から見ているようです。

--ブログを始めたのには、医療現場を知ってもらいたいという思いもあったのですか。

バミューダさん:そうですね。普通の医者がどういうことを考えているのか、などを知ってもらうとおもしろいかなと思いました。宿直のときに患者さんが来て起こされた直後は「眠い」としか思わないんです。また、赤ちゃんが生まれた直後は「かわいいなぁ」とか、思っている暇はありません。まず、生きているのかどうかが最大の関心ですし、お母さんの処置もしないといけませんから。医者になりたてのころは、そんなに思わなかったのですが、知識が増えると怖いと思うことが増えました。容体が急変したりとか、怖い体験もしてきているので。ごく少数ですけれど元気で病院に行っても、死んで家に帰ることもあるのが産科なんです。出産は、急変することがあるということを知ってもらいたいです。

--ブログを書いていて、苦労したり気を付けることはどんなことですか。

バミューダさん:固定ファンが増えるのはうれしいのですが、時々、恋愛感情を伴うメールを頂くのにはびっくりします。それもあって、接待を受けたことがあるとか、100%実際のことではないけれど、たまに悪いことも書いています。批判も来ますが、バランスが取れます。本当に炎上するのは困りますが、1割くらい批判があるほうが健全な意見交換の場かな、とは思います。コメントはスパム以外は載せています。

--不思議な文体ですよね。段落ごとの行間もとても長いし。

バミューダさん:たまに辛らつなことも書きますから、批判を和らげるということも意識して、こんな文体でフィクション仕立てにしています。病院の上司に内情を「書きすぎだ」と言われることもありますが、実は相当抑えて書いています。患者さんの本当の情報は載せられないですし。文体はともかく内容的には現実から着想を得たリアルなフィクションを目指しています。行間は、携帯の読者から要望があったので、以前よりも詰めました。

バミューダさんプロフィル:埼玉県出身。フリーで外来や当直などをしている産科医。臨床の勉強のため、アメリカ留学を目指している。36歳。

【聞いて一言】産科医が少ないと言われている中、臨床の勉強を深めたいというバミューダ医師。患者の命の危機に立ち会って肝を冷やしたり、命を救ってさえも必ずしも感謝されるばかりではないのに。おちゃらけた文章に似合わない、まじめなお医者さんだ。

2008年7月18日

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