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医師研修の工夫解禁 大学限定、地方に誘導 厚生労働省

2008年7月18日

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 医師の臨床研修制度をめぐり、厚生労働省は、大学病院に限って研修プログラムの変更を認める方針を固めた。地方の大学病院の研修医の少なさが、地方の医師不足の一因になっているとの指摘を踏まえた。今後、各大学がどれだけ魅力的なプログラムをつくるかがカギとなる。

 識者らが研修制度について話し合う18日の厚労省医道審議会に提案される。了承されれば、各大学病院は来春のプログラムの変更作業に着手。毎年10月にある医学部卒業予定者(約8千人)と、臨床研修ができる病院(約1100施設)の希望すり合わせに間に合うようにする。

 今回の措置は、モデル事業として実施。現在、「内科6カ月以上、外科3カ月以上」などと示されている研修内容の取り決めを、全国80の大学病院に限って弾力化する。

 具体的には、各大学病院の研修医募集の定員数をもとに算定した枠内で、特定の診療科に集中して臨床トレーニングを行う「特別プログラム」の策定を認める。

 対象となる特定の診療科は、「地域医療に影響がある分野」を想定。実質的には、地域医療で不足感の強い産婦人科や小児科、救急などが軸になるとみられる。

 逆に特別プログラムで特定の診療科で長期間研修すると、内科、外科などでの研修期間が短くなる欠点がある。だが厚労省は、「人材が豊富な大学病院では、教育担当の指導医の充実により、初期診療に必要な総合力を育てられる態勢がとれる」(幹部)と判断。医師が卒後2年間で備えるべき基本的な診療能力の水準維持を引き続き求める。

 厚労省によると、04年の臨床研修制度開始後、都市部で待遇のいい大規模病院に人気が集中。地方の大学病院からも都市部での研修を目指す新卒医師が増えた。あおりを受け、若手医師が不足した地方の大学病院が、派遣医師を引き揚げる事例が頻発。地域の自治体病院や中堅病院での医師不足を加速したという。

 08年度の大学病院の研修医募集定員の充足率は、弘前大(27.5%)、秋田大(32.6%)、岩手医大(37.1%)、三重大(23.1%)、岐阜大(35.1%)など。東北、東海地区で定員割れが著しい。厚労省は「魅力のある研修プログラムをつくってもらい、地方の拠点になる大学病院に人材が集まるよう期待したい」(幹部)としている。

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