毎日らいふ

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こころとからだの相談室:なんの予兆もなくもう閉経?

◇質問

 45歳でいきなり生理がストップして半年、「もう閉経?」と納得いかない気持ちです。こんなふうに前触れもなく生理がストップすることはあるのでしょうか。自分ではまだやりたいこともあるし、更年期なんて先のことと思っていたのです。でも、急に体が熱くなったり、妙に音がうるさく感じたり、寝つきが悪くなったり、「以前はこんなじゃなかった」と思うこともあります。現在、夫が体調をくずして仕事を休んで家にいるのですが、このストレスも関係しているようにも思うのですが。(45歳/女性)

◇回答

 月経に対する女性の思いは、複雑で微妙なものがありますね。毎月順調にきていたときは面倒くさいと思ったりしたのが、終わったとなると「閉経だなんて、まだ早すぎる」と愕然としたり、淋しく思ったり。「メノポーズを考える会」の電話相談でも、そうした女心を吐露される方がよくおられます。

 閉経の時期は、タバコを吸う人では2年ほど早まるといわれていますが、多くは家族性のもので遺伝と考えられています。日本女性の閉経年齢は平均して50.5歳前後、欧米女性では51~52歳といわれています。しかし、個人差も大きく、40歳をすぎての閉経は異常ではないとされており、この方のように45歳ではとくに早いとはいえないでしょう。

 生殖にかかわる機能はすでに40歳前から老化が始まっています。閉経が近付くと月経周期が短くなったり、出血がなんとなく続いたり、周期が間遠になったりといった“予兆”から、「そろそろかな」と気付くことが多いようです。しかし、自覚症状はなくても、閉経前にはエストロゲンなどの女性ホルモンの減少や卵胞刺激ホルモン(FSH)の上昇はすでに始まっていて、体調の変化も起こりやすくなっています。

 月経が止まったままの状態が1年間続くと閉経ということになりますが、「もう閉経?」と納得がいかないようなら、婦人科を受診するのも方法です。ホルモンの値を測ってもらったり、気になる症状やホルモン補充療法の活用など、更年期の過ごし方について医師に相談する機会にもなります。

 エストロゲンの働きは、生殖機能以外にも、学習、記憶、体温調節、気分、うつなどに幅広く影響し、また、骨粗鬆症の予防や血管、皮膚、粘膜を守るうえでも重要な働きをしていることは、最近では一般にもひろく知られてきています。

 このエストロゲンが急激に減少するのが更年期ですが、だからといって女の人生が終わりというわけではありません。最近は、子育てから解放されて歌手デビューするなど、人生をあきらめない女性も増えています。閉経を、生殖期から解放と受け止め、次の人生のステージへの飛躍のときとして、長年やりたいと思い温めてきたことを始めるのも方法でしょう。

 同時に、ストレスは更年期の症状にも深く影響します。この年代は夫の病気や老親の介護など課題が増える時期ですが、大切なのは悩みを1人で抱え込まないこと。家族や周囲にも理解を求め、夫の主治医ともよく相談する。ときには電話相談などで自分の思いをじっくり聴いてもらうことで問題点がはっきりすることもあります。睡眠や食事、運動など健康な生活習慣を守り、自分をいたわることも忘れないようにしましょう。

☆NPO法人「メノポーズを考える会」の電話相談(03‐3351‐8001)火曜・木曜の午前10時半~午後4時半。ホームページ http://www.meno-sg.ne/

回答者・安井 禮子(医療・健康ジャーナリスト)

2008年7月18日

 

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