交通違反などの罰金を支払わず、刑務所や拘置所で働く「労役場留置」の件数が県内で急増している。青森地検のまとめでは、今年4~6月の四半期で労役場留置を行ったのは39人。このまま行くと昨年度の104人を大幅に超しそうで、地検は「罰金の高額化が進むなか、資金力に乏しい人が多いようだ」とみている。【矢澤秀範】
労役場留置は、罰金を払わない代わりに刑務所などで袋を作るなどの軽作業に従事する制度で、1日8時間労働で約5000円に換算される。
労役場留置は全国的に増える傾向にあり、1997年度に2661件だったのが、06年度は7336人で、10年で3倍近く増している。
青森地検によると、4~6月の労役場留置39人(男33人、女6人)の罪名は、道交法違反や業務上過失傷害などの交通違反、傷害や窃盗など多岐にわたり、うち罰金刑を受けながら再三の督促に応じないため、身柄を拘束する「収容状」を執行したのが10人いた。年間の収容状執行は06年度27人、昨年度17人だった。
労役場留置者の罰金額は10万~200万円で、20万円以上50万円未満が大半。地検は「未納者には収容状を厳格に執行していく」としている。
毎日新聞 2008年7月18日 地方版