【北京・田所柳子】自民党の山崎拓前副総裁と北朝鮮問題を巡る6カ国協議の議長を務める中国の武大偉外務次官の17日の会談で、武氏は、北朝鮮核施設の無能力化の見返りとして6カ国協議で合意した重油100万トン相当のエネルギー支援について「日本が参加しないことに断固反対だ」と述べ、拉致問題の進展を支援の条件と主張する日本をけん制した。
山崎氏が中国に日朝協議再開への協力を求めたのに対し、武氏は「中国は北朝鮮に働きかけているが、拉致問題は日朝間の問題だ」と指摘。「エネルギー支援の環境が整ったかどうかを判断するのは日本政府や日本国民だが、他国に肩代わりを求めれば日朝関係改善に影を落とし、日本の国際的イメージにも傷がつく」と述べた。
毎日新聞 2008年7月18日 東京朝刊