「赤いくつ〜、履〜いてた」女の子、ゆかりの地で銅像に
童謡「赤い靴」のモデルとされる少女「きみちゃん」のブロンズ像が来年6月、函館港開港150周年を記念するイベントの一環として、ゆかりの地である北海道函館市の函館港に設置される。
地元の郷土史家らでつくる「はこだて赤い靴の会」が、世界の子どもの幸せと親子のきずなの大切さを願って企画した。台座を含め約百六十五センチ。事業費は同じデザインのミニチュア像10体を販売するほか、広く寄付を募るという。
制作する同市出身でローマ在住の彫刻家小寺真知子(58)さんは「この物語が函館で生まれたことを知ってほしい」と話している。
同会によると、きみちゃんは1歳のとき、現在の静岡市から母親と函館市に移住。母親は留寿都村の農場へ入植する際、病弱だったきみちゃんを米国人の宣教師夫妻に託した。
任期を迎え帰国することになった夫妻は、結核を患っていたきみちゃんが長旅に耐えられないと判断。米国に連れて行かず、東京の孤児院に預けた。その後、きみちゃんは9歳で死亡した。母親は亡くなるまで、娘が米国に渡ったと信じていたという。
米国への渡航を予定していた3人が1080年5月、函館港から上京する場面をイメージ。赤い革靴姿で、胸に手を当てて母と過ごした街を振り返り、旅立ちへのロマンや不安を抱く5歳の少女を表現した。
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