初めてのらくがきは、前にも書いたとおり、私の平坦ではなかった(そんなに大袈裟なもので

はないんですけどね。)警察官採用試験合格までのコトと合格発表の日の思い出を書こうと思

います。

 私は、自己紹介でも書いたとおり、大学では、ドングリとケムシの勉強をしていたので、大学

での勉強がいかせればと、公務員の中でも林学をねらっていたので、国家公務員U種の林学

と石川県職員の林学そして石川県警の採用試験を受けることを決めました。

 お金もなかったので、本屋さんで公務員試験用の参考書を買ってきて、自宅で結構必死に勉

強しました。が、一次試験に合格したのは、石川県警だけだったのです。希望していた林学が

両方ダメだったので、それなりに落ち込みましたが、その気持ちとはウラハラに「ダメでよかっ

たのかも。私には警察官のほうが向いているのかも。」と思う自分もいました。そして、二次試

験の日をむかえ、体力検査(現在は、一次試験で体力試験を実施しています。)と面接試験を

終えました。それから私の心に変化が起き始めたのです。

 警察官には興味がなかったはずなのに、二次試験が終わったとたん「警察官になりたい。」と

強く思うようになりました。「ただ単に、警察官がダメだったら全滅だし、あせってそう思っただけ

じゃないの?」と言われれば、それまでなんですけど・・・。まあ、そんな気持ちが全くなかったわ

けではないと思いますが、でもそのときは本当に「警察官になりたい。」と思うようになっていまし

た。しかし、そう思えば思うほど、「私は県外出身だしダメかも。」とか、「優秀な大学を出てるヒ

トもたくさんいたし、ダメかも。」とか、「新卒じゃないし、ダメかも。」とか・・・、悪いほうへ悪いほ

うへと考えるようになり、そんな気持ちのまま、合格発表の日がやって来ました。

 合格発表の日、私は発表を見に行くのが怖くて、家でウジウジしていたら、電話が鳴ったので

す。電話に出ると、「合格おめでとう。」と、聞き慣れた友人の声でした。友人は、今までのいき

さつを知っていたので、私の気持ちを察して、合格発表を見に行ってくれていたのでした。合格

したコトもスゴクうれしかったですが、友人の優しさが本当にうれしくて、私は慌てて家を出て、

合格発表が行われている幸町の合同庁舎へ向かいました。

 合同庁舎へ着くと、ロビーのソファーで友人が待っていてくれました。友人とふたりで、合格発

表の張り紙を確認すると、ちゃんと私の受験番号と名前(当時は氏名も発表されていました。)

が書いてありました。「本当に警察官になれる!」と、それまでのウジウジしていた気持ちはどこ

かへフッ飛び、感動でイッパイになりました。その後も、小さなこどもみたいに、何度も何度も張

り紙を確認して、喜びをかみしめました。

 ひとしきり感動した後、あまりの興奮と、とても暑かったのとで喉がカラカラになっていることに

気づき、庁舎内にある自動販売機で紙コップのパインジュースを買って、ふたりで飲みました。

何の変哲もないパインジュースでしたが、「世の中に、こんなにおいしい飲み物があるのか!」

と思うほど、おいしかったコトを覚えています。
 
 これが、私が採用試験に合格するまでのお話です。何か大きな出来事があったわけではあり

ませんが、私にとっては忘れられない大切な思い出です。
 
 あの時飲んだパインジュースの味と、友人の優しさは一生忘れません。
 
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忘れられない味