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医療ビジョン具体化検討会が初会合

 厚生労働省は7月17日、6月に舛添要一厚労相の肝いりでまとまった、医学部定員の増員などを盛り込んだ「安心と希望の医療確保ビジョン」を具体化させるための検討会の初会合を開いた。舛添厚労相は冒頭のあいさつで、「きめの細かい施策をやって、どのぐらいの予算が必要かということできちんとやりたい」と述べ、来年度予算編成に向け、具体的な議論を進める意向を示した。座長には自治医科大学長の高久史麿氏を選出した。

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 厚労相は冒頭、以下のようにあいさつした。
 「安心と希望の医療確保ビジョンが先般確定した。医師の数を増やすのが第一。第二は地域のネットワークの再生。第三は、『県立柏原病院の小児科を守る会』のような活動の、患者と国民の側の協働という、3つの柱でビジョンを作った。来年度予算の策定に向けて具体化しないといけない。それで具体化に関する検討会ということで集まってもらった。
 どれぐらい医師の数を増やせばいいのか。医師の偏在をどう解消すればいいのか。スキルミックスをどういうふうにするのか。看護師のスキルを上げて医師の仕事を一部代替できるようにした方がいいのか、しない方がいいのか。した方がいいとしたら、どういうやり方があるのか。患者と医療関係者の信頼関係。和田仁孝先生(早大大学院法務研究科教授)もいるが、(医療)メディエーターをどういうふうにやればいいのかを議論したい。岡井崇先生(昭和大医学部産婦人科学教室主任教授)をはじめ、海野信也先生(北里大医学部産科婦人科教授)もいらっしゃるが、産科の問題をどうするのか。自治医科大の高久先生もおられる。私学の方や、国立の方では嘉山孝正先生(山形大医学部長)など、バラエティーに富んだ皆さんがおられる。同じ医学教育でも私学、国立、自治医科大と、全部違うと思う。病院の中も違うと思う。非常に地域差もある。非常にきめの細かい施策をやって、やればどれぐらいの予算が必要かということで、きちんとやっていきたい」

 「月末には『5つの安心プラン』を策定する。これは総理の命令。今から議論するのは厚労省だけの課題でなく、福田内閣全体の課題。当然、文部科学大臣もメンバーだからきちんと調整しないといけない。政府全体の問題をここでやっている。そういう思いで皆さんの力を頂いて、予算編成に向けて5,6回議論して、間に合う形で報告をしたい。この具体化作業の検討会の結果がどうなるかが、これからの日本の医療、これは崩壊しているといわれているが、これがきちんと立ち直るかどうかに非常に大きな役割を担う検討会なので、忌憚(きたん)のない意見を賜りたい。資料でも『こういう資料がいいんだ』というのは自由にお出しいただく。わたし以下、厚生労働省に遠慮していただく必要は全くない。『そんな意見は駄目』とはっきりおっしゃっていい。国民の目線で何をやれば、国民の医療を再構築できるか。その視点だけあればいい。この具体化の作業に、これからの日本のあすが懸かっていると言っても過言ではない」


■今年も「400人増やしたい」

 また、初会合終了後の記者会見では、医師の増員数について、「できれば昨年並みに400人ぐらい増やせればと思う」と述べた。今後の医師需要の見通しについては、「毎年状況が変わるから、微調整しながら国民のニーズに合った形で医師数を増やしていきたい」とした。

 初会合では、医師の増員について委員らが自由に意見交換した。「増えた医師を迎えられる現場にし、働ける現場でないといけない」「産科医療に対して、若い医師も志はあるが、当直の負担などを見たら、『一生やるか』と考えるとちゅうちょする」「偏在の現状を是正できる増やし方を考えるべき」など、医師数を増やすこと自体には賛成だが、増員できる環境を整備すべきなどとする意見が出た。


更新:2008/07/17 23:09   キャリアブレイン


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