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【主張】バスジャック 「幼い犯行」をどう防ぐか

2008.7.18 02:53
このニュースのトピックス主張

 16日白昼、名古屋から東京に向かうJR東海バスが乗っ取られた。容疑者は警察の説得で投降し、事件は約1時間後に無事解決した。乗客らにケガがなかったのは不幸中の幸いだった。

 銃刀法違反と監禁の現行犯で逮捕されたのは、14歳の中学2年生だった。唖然(あぜん)とさせられる事件である。

 少年は警察の調べに、「親に怒られ、嫌がらせをするためにやった。危害を加えるつもりはなかった」と供述しているという。どうしてこれだけの理由で、バスジャックという犯行に及んだのか、理解しがたい。それにしても、凶悪、低年齢化する少年事件が後を絶たない。

 平成9年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件の容疑者が14歳の少年だったことなどから、厳罰化が論議され、平成12年の少年法改正で、刑事罰の対象年齢が16歳から14歳にまで引き下げられた。

 今回の事件の少年は、女生徒との交際問題で両親とトラブルになり、山口県宇部市の自宅を家出し、新幹線で名古屋まで来て、ホテルに1泊した後、JR東海バスで東京駅までの切符を購入し、犯行に及んだ。犯行に使用した果物ナイフとペティナイフは名古屋の100円ショップで購入したと供述している。

 「幼稚すぎる」との指摘もあるが、なぜ東名高速を犯行舞台に選んだのかなど、警察には今後の事件防止のためにも、徹底的に動機や背景を解明してもらいたい。

 バスジャックといえば、平成12年5月の事件を思い起こす。当時17歳の無職少年が、九州自動車道を走行する西鉄高速バスを乗っ取り、乗客と運転手を人質に、約270キロも走行し、発生から約15時間半後に警察の特殊班が車内に突入して、少年を確保した。

 しかし、少年は1人を刺殺、4人に重軽傷を負わせるなどしたため、社会に大きな衝撃を与えるとともに、バスジャックに対する防止策が課題となった。

 警察庁は、国土交通省やバス業界団体に防止のマニュアル作成や通報システムの整備などを要請した。しかし、今回の事件で、防止策が十分に機能していないことなどが露呈した。

 高速バスや長距離バスについては、飛行機搭乗のさい行われている手荷物検査や探知機導入なども、乗客の協力を取り付けながら、取り組むべき課題である。

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