4年ぶりに訪れた五輪の年を迎え、特集記事も相次いで組まれている。
五輪に出場するというのに、誰も関心を向けてくれない選手たちもいる。それでも頑張っている。30度を超える猛暑の中でも、毎日朝9時から昼の12時まで、午後4時から6時まで、ボールを蹴る。彼らが蹴っているサッカーボールには、「チャラチャラ」と音を出す鉄玉が入っている。目は見えないが、足に目が付いているようだ。9月6日に開会する08北京障害者五輪(パラリンピック)の視覚障害者のサッカー代表チームだ。
「この間までは、走る音を聞いただけでもどの選手か分かったのですが、この頃は区別がつかない時が多いです。選手たちの実力が向上して、全体的に横並びになってきたのでしょう」
代表チームの李オクヒョン監督(42)も目が見えない。事故で視力を失った。障害者五輪には視覚障害者の種目はかなりあるが、指導者自身が視覚障害者なのは初めてだ。
「大韓障害者サッカー協会でも、私が監督を担うことに対して反対意見があったそうです。選手経験のある人の方がもっと的確に指導できると説得しました」
一般のサッカー競技場の5分の1ほどの大きさの専用球場で開かれる同種目には5人が出場する。ゴールキーパーは障害者ではない選手がつき、他の選手たちは眼帯と、スポンジで作った頭部の保護用具を着用する。
韓国は昨年10月、仁川(インチョン)で開かれたアジアカップ大会で出場権を得た。本大会には韓国、ブラジル、スペイン、英国、中国、アルゼンチンの6カ国が上がった。大韓障害者体育会は、「競技人口と支援が足りない韓国としては、本大会に進出したことだけでもすごいことだ」と語った。
選手たちには、練習手当として1日3万ウォンが支給される。大半がマッサージ師の資格を持っているが、選手として得る最近の収入は、本業に携わっている時の半分程度に過ぎない。
李監督と選手たちは、「波瀾」を夢見る。視覚障害者サッカーで初の五輪メダルを獲得する意欲に満ちている。選手の金ジョンフンさん(32)は、「私たちは切実な関心を望んでいる」と話した。
今回のパラリンピックに、韓国は13種目に79人の選手が出場する。金13、銀6、銅7で総合で14位に上がるのが目標だ。視覚障害者サッカーのメダルを加えたら、さらに順位を上げるかも知れない。
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