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2008.07.18 01:58 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 0

「ナンギ」の意味

 沖縄の言葉で「難儀」(ナンギ)という表現があり、意味としては「面倒」と同じような使い方をされる。実は受動型ASがよく使う表現である。

 主に行動しないときの理由を問うた場合にこの「ナンギ」が登場する。自分の自発的な行動が求められるときはすべて「ナンギだから」しないということになる。

 この「ナンギ」には、「それ以上に突っ込んで話を深められない」という作用があり、周囲の人の意欲を失わせる結果になる。

 さてこの「ナンギ」の意味を私はずっと考えてきて、やっと一つの解釈を思いついた。

 「何で自分がしなければならないか?」「自分でしなければならないのなら面倒だからしない」という意味であると思う。周囲の愛着の対象に対して「(自分のことでも)お前たちがやるのが当たり前だろうが」という強い依存のメッセージなのだ。

 受動型ASは依存できると思った相手には、徹底的に理不尽な要求をし続ける。他方「自分」が存在せず、「あなたはどうしたいか?」と聞かれると答えられず、結果、「自分の責任」を認識も実行も出来ない。だから本人にとっては依存が当たり前だから「ナンギ」ということになるわけだ。

 私は最近は、特に母親に要求をし続ける受動型ASのケースは(もちろんパートナーでも)、「一旦離れるしかない」という環境調整を本気で検討するようになった。

 受動型ASにとっては、周囲に一人も愛着の対象が居ないほうがずっと表面上の社会適応が良くなるのだ。

 真のパートナーを得るには、思春期を過ぎて、本人に受動型ASを告知して、その問題点を本人とともに考え、依存で無い生き方を少しずつ模索するしかないのではあるが。 

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