龍宮丸がなくなります
銭湯遺産 価格:¥ 6,090(税込) 発売日:2007-12 |
龍宮丸といっても誰も知らないかも知れないんだが、駿河湾を運航していた遊覧船だ。むかしは屋形船みたいな形をしていて、沼津港と三津の水族館を結んでいた。おいらの世代だと微かに覚えがあったりするんだが、伊豆箱根船舶です。西武グループだな。西武は箱根に龍宮殿という建物を持っていたんだが、そのミニチュア版みたいなもんです。
あの頃は、というと半世紀ほども前になるんだが、
伊豆でも三津あたりまでが最も賑やかな観光地だった。よく、銭湯のペンキ絵で富士山、白い砂浜、青松、帆掛け船という風景が見られるんだが、あれは沼津南部から見た景色です。沼津そのものが東京から遠からぬ避暑地として栄えた街で、むかしは交通が今みたいに便利じゃなかったので、わざわざ伊豆半島南部まで行く人は少なかったし、もっと大昔は東海道線が御殿場経由だったので三島には駅がなく、沼津はもっと栄えていたのだ。で、三津の水族館というのは前身が「中の島水族館」といって1930年からあるわけだ。当初は地元の有志がはじめて、日本初のバンドウイルカ飼育をしていたりする。今では西武グループになっている。
で、沼津港から赤い屋形船に乗って水族館に行くというのが、子供とってはとても心躍るイベントだったわけだ。今みたいにあちこちに水族館があったわけじゃないし、イルカの芸当なんてここでしか見られなかった。
ところで、何故、この地で日本初のイルカ飼育が出来たのかというと、そらぁ、伊豆の人間はイルカを食うからだ。群れで行動するイルカを湾に追い込んで、出口を網でふさいでしまい、腹が減ったら一匹ずつ殺して食う。残りはそのまま飼っておいて、時々、餌をやったりするわけです。伊東では最近までそれをやっていたんだが、白人がうるさい事を言うので今はやってないです。で、そうやって畜養していたイルカを、都会の人間が珍しがって見るもんで、見世物にしようと考えたのではないかと想像しているんだが。
で、なんでこんな話をしているのかというと、その龍宮丸なんだが、いよいよ廃止されるというNEWSです。すでにとっくに定期遊覧は廃止されていたんだが、とうとう廃船になり、代わりに近鉄志摩観光汽船のチャッピーという船が来て、水族館入場者向けアトラクションとして運行するそうです。こちらに写真があるんだが、オモチャみたいな船ですね。
まぁ、龍宮丸といっても昔の屋形船時代を知ってる人だったら懐かしく思うかも知れないんだが、最近はごく当たり前の不定期遊覧船だったので、あまり感慨というのもないんだが、これでまた沼津を拠点とする遊覧船がひとつ消えるわけです。
龍角散が消えなければオラはOKです。。
投稿 素浪人♪ | 2008/07/18 03:48