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ハーフカシミヤで不当表示 日本生協連に排除命令
「ハーフカシミヤ」として販売したカーディガンなどにほとんどカシミヤが含まれていなかったとして、公正取引委員会は17日、景品表示法違反(優良誤認)で日本生活協同組合連合会(生協連、東京都渋谷区)に排除命令を出した。カシミヤの販売に関して公取委が排除命令を出すのはこの1年だけで3回目。
公取委によると、生協連は平成19年9月〜今年3月の間、「オリジナルハーフカシミヤ衿付きロングカーディガン」など9品目を会員向けのカタログに掲載した。カタログにはいずれも「素材カシミヤ50%」と記載されていたが、公取委がサンプル調査した結果、1〜5%程度しか含まれていなかった。主な素材はウールだった。
生協連は公取委に対して「中国で生産した際、原糸の段階でカシミヤが入っていなかったとみられる」と説明している。
生協連は今年4月、商品にカシミヤがほとんど入っていない事態を告知し、購入した会員に返金を始めるとともに公取委に通報していた。
カシミヤ山羊は昼間暑く、夜寒い高原を好み、こうした寒暖の差に耐えるために体に生やす産毛がカシミヤ製品となる。だが最大原産国の中国では、後継者不足やカシミヤ山羊が砂漠化の一因になるとして、中国政府が規制を強めているともいわれ、ますます希少価値が高まっている。
昨年7月、「カシミヤ50%」「カシミヤ100%」と表示したセーターに最大25%程度しかカシミヤが含まれていなかったとして、公取委が小杉産業(東京都中央区)や丹羽幸(名古屋市)に排除命令を出した。昨年12月にもユナイテッド・アローズ(東京都渋谷区)が同様に排除命令を受けている。
いずれも「取引業者の言い分を信じた」と話しており、メーカー側のチェック体制の甘さが浮き彫りとなっている。