« 2008年6月 | メイン

2008/07/17

講演会で「イムジン河」を歌う

 7月16日(水)080716_09150001 午後まで時間があるので「紺屋地獄」へ。山あいにある別府温泉保養ランドは「どろ湯」で知られている。照りつける太陽の暑さに白いテントがひときわ映える。受付の女性によれば「ガソリン代が値上げしてから客が減った」という。「どろ湯」にはびっくり。まさに灰色の泥のなかにズブリと沈む。「どろ」は鉱泥で水に比べて5倍の熱保有度がある。水ほど熱さを感じさせないのが特徴。屋内4浴場、露天4浴場。1050円で1日楽しめる昔ながらのひなびた温泉だ。大広間の畳で大の字になって寝ころぶ。中学生男女6人は社会見学でここに来たという。テレビでは大分県教師の「口利き」問題で、小学校だけでなく中学でも不正合格があったと報じていた。中学生に「どうなの」と聞けば「うちの先生大丈夫かしら」。小学校では半数が不正合格。すべて取り消しの方針が出たが、現場は混乱するばかり。県議の「口利き」や疑惑の国会議員秘書にまでメスを入れるべきだ。大分県だけではないだろう。小泉首相の秘書官だった飯島勲氏が「口利き」をしていたことを自らの著書で吐露していたと「週刊新潮」は書いている。取材拒否とはなあ。別府パストラルへ。在日本大韓民国婦人会九州地区の研修会で講演。南紀白浜の懇親会で「釜山港へ帰れ」を歌ったと冒頭で話したところ「歌って〜」の声があちこち。そこで「イムジン河」を披露。朝鮮半島の南北分断を嘆く歌は、高校時代の想い出でもある。その流れで都はるみさんと美空ひばりさんのエピソードを紹介し、本題であるメディアの問題を話す。講演会で歌を歌うなんて初めてのことで冷や汗もの。徐元喆国際局長と竹島問題、金剛山での射殺事件などで意見交換。大分から羽田。

2008/07/16

韓国・朝鮮および台湾人「BC級戦犯」法案を読む

 7月15日(火)いまから50年前の1958年に「プラッシー」が誕生した。「プラスC」から取った商品名で小学生のときによく飲んだものだ。米屋がコメといっしょに運んでくれた。米屋さんに買いに行った記憶もどこかにある。地下鉄に乗っていたら、その「プラッシー」が50年を記念して8月31日まで期間限定販売との宣伝があった。駅を降りてコンビニに入ると、あった。昔は瓶に入っていたが、いまはペットボトル。飲んでみたら昔の味が口中いっぱいに蘇ってきた。衆議院に提出された「特定連合国裁判被拘禁者等に対する特別給付金の支給に関する法律案」(5月29日)を読む。韓国・朝鮮および台湾人のBC級戦犯問題。運動がはじまったのは1955年4月のこと。それから53年にしてようやく国会が動き出した。戦後63年という時間に思いをはせる。これは国会議員と日本社会の怠慢ではないか。夕方の便で羽田から大分へ。

2008/07/15

「ライオンのように」

 7月14日(月)上石神井駅前で早朝の訴え2時間20分。朝の通勤時に手にしている新聞は、どこでも日本経済新聞がいちばん多い。とくに女性の比率が高いようだ。統一教会問題の同志ー山口広弁護士と遭遇。その後も練馬各地で訴え。練馬駅前では「障害者福祉のこともお願いします」との意見に、その問題も加えて話をする。中村橋駅前では7,8人の女性から求められて、それぞれの方々とケータイで記念撮影。ともかく暑い。日焼け止めを塗っていてもジリジリと感じる。久々の映画は「落語娘」。ミムラの好演。津川雅彦さんは本物の落語家のよう。手帳のメモを見れば6月にはたった1本しか見ていない。テーマとは関係ないが、落語=話芸とは、現実を言葉に乗せて観客に届けること。ならば街頭「辻説法」もまた同じ。現実をいかにリアルな言葉に変換して伝えることができるのか。奇麗事の表現ではなく実感する身体こそ本質なのだろう。ふとそう思った。ジムのプール。水が心地よい。神保町「家康」は3か月半ぶり。リーフレットを置いてきた。流れで「北京亭」。店を出るとき、テーブル席の男性2人に声をかけられた。「光が丘でリーフレットを受け取った」という。しばし雑談。地下鉄のなかでリハビリに励むオシムがよく口にしている「ライオンのように」という言葉を思い出した。通訳の千田善さんによれば「不屈にたたかう」という意味だという(「みすず」7月号)。リハビリに取り組んでもどこまで回復するかはわからない。それでも挫けることなく進んでいく。現実は予測や願望の世界ではない。「ライオンのように」、ただ「ライオンのように」。

2008/07/14

新しい1週間のために

 7月13日(日)明日からの「辻説法」のためにインプット。ボランティアを志願してくださった女性と練馬駅近くで懇談。池袋で買い物。肉売り場で女性から声をかけられる。聞こえてくるのは政治への不満ばかり。新刊書籍をいっぱい買ってきて、国会議員会館の目立つところに置くように指示する自民党議員のことを思い出してしまった。外見を飾っても為すことをおざなりにする。政治への不満は政治家ならぬ政治屋への鬱憤である。くさか里樹さんの老人介護をテーマにしたコミック『ヘルプマン!』(講談社)を読む。

2008/07/13

生活は偶然に満ちている

7月12日(土)080712_18320001_2 「週刊朝日」のゲラを点検していくつかの訂正。ある本を読み終える。週刊誌から書評を依頼されたものの、お断りした。私はフリーランスとして依頼された仕事は断らないことを基本としている。しかしその内容を全面的に批判するような書評を書くことは筆者に対しても失礼になる。バランス感覚なき著作は限りなく負のエネルギーに満ちているというのが読後感。ある思いが襲ってきて1年前の参議院選挙時に大山の事務所前で撮影した集合写真を見つめる。そこにいる中村一好さんと無言の対話。都はるみさんのこれからの展開をどうすればいいのか。「蛍の宿」を久しぶりに聴く。中村さんの気持ちがいまになってわかる。長女、二女と「かめありリリオホール」で行われた中国・四川大地震復興支援コンサートに出かける。エンレイが企画して実現したようだ。5月12日の震災から2か月。いまだ1万6000人以上が行方不明。東京の公立小中学校は約2000。四川で倒壊した学校は6000を超えている。復興への道のりは遠い。長女たちと食事をするつもりだったのに2人とも「友だちのところに行く予定がある」。池袋で別れ「おもろ」。カウンターは1つしか空いていなかった。沖縄ソバを食べ終えた左隣の男性が声をかけてきた。鳥取県米子市の養和病院で神経内科・リハビリテーション科部長を務めている原田英昭さんと自己紹介があった。東京で学会があり、好きなクラシックの公演に行こうとしたが、池袋の東京芸術劇場の催ししかチケットが取れなかったという。終演後、駅まで行く路地を歩いていると「おもろ」があった。原田さんはかつて「酔醒漫録」の読者だった。そこにしばしば登場する「おもろ」を思い出して入店したのだった。そこに偶然にも本人が隣に座ったという顛末だ。医療界の現状を聞いた。やはり2004年から実施された2年間の臨床研修制度に問題があるようだ。基本的な診療をひととおり学ぶことはいいけれど、外科や産婦人科など大変な仕事を選ばない傾向を加速したからだ。舛添厚生労働大臣が医学部定員を増やす方針を打ち出したが、ただ増えればいいということでもない。同い年の原田さんと意気投合して泡盛が進んだ。

2008/07/12

「無理なく楽しく医療費削減 旧大洋村に学べ」

 7月11日(金)上石神井駅で早朝の訴え2時間半。ときどき記念撮影を求める女性たちがいる。「テレビで見なくなりましたから、病気なのかお忙しいのかと思っていました」などと言われた。「陣地戦」は何を目指しているのかが浸透していくプロセス。陳腐な言葉だが手応えが実感できる。参議院選挙のときには「誰の応援ですか」などと問われたことを思い出した。告示が7月12日だったから、もう1年か。自宅に戻って締め切りを延ばしてもらった「週刊朝日」の原稿を完成させて編集者に送信。「後期高齢者医療制度の現場 無理なく楽しく医療費削減 旧大洋村に学べ」は7月25日号(15日発売)に掲載される。自民党・公明党の政権では「学べ」はしない。次期総選挙では絶対に政治を転換させる一歩にしなければ。副都心線で新宿3丁目。桂花ラーメン。雑用を終えて国会。知人と雑談。BC級戦犯の戦後補償をする法案が衆議院に提出されたと聞いてホッとする。戦後63年にしてようやく台湾、韓国人のわずかな補償が実現する。シベリアでも日本人だけではなく、アジア諸国の「日本兵」が大変な苦労を負ってきた。この国はまだまだ過去の清算ができていないことに驚かされる。やるべきことをやらずして何が国権の最高機関か。未来にも過去にも向かわない政治家を一掃するのは主権者の仕事。表参道でジム。プールで1時間じっくり歩き、少し泳ぐ。神保町「萱」。帰宅して「週刊文春」を見ていたら「『枯れセン』ブームに気をつけろ」という記事に「その代表としてあの有田芳生サンまでとりあげられていた」などと紹介され、写真には「総選挙に向け活動中の有田サン」とキャプション。「枯れセン」などブームにならないと言い続けてきた。ところがテレビなどでは否定的コメントを使ってくれなかった。それぞれの人生の「後ろ姿」はブームになどなりはしない。

2008/07/11

懐しい「安奈」

 7月10日(木)役員会を終えて新宿。甲斐バンドの甲斐よしひろさんと再び遭遇。「カラオケに行くときには『安奈』を歌うんですよ」と言えば「テレサ・テンの本を読みました」とのこと。「安奈」は滝本太郎弁護士が好んで歌う曲でもある。ストレッチのやり過ぎで腰部周辺に鈍痛が続いている。臨時にお願いして竹村文近さんに鍼を打ってもらう。まずはいつものように仰向け。うつ伏せになるときに痛みを覚える。ところが鍼を打ったあとは快適元通り。伊勢丹で買い物をして帰宅。「週刊朝日」の原稿をひたすら書く。

2008/07/10

路上の光景(1)

 7月9日(水)朝の訴えは大泉学園2時間半。いつものように練馬区を走る。暑い。後期高齢者医療制度の背景に隠された問題、今後の希望ある制度を語っていたときのこと、遠くでじっと聞いてくれている女性が眼に入った。終わったところで声をかけると、「前回は違った話だったので、こんどはこの問題を話してくれるかなと思っていたんです」とのこと。「次はいつ来ますか」との質問をあちこちで聞くようになった。「塗り絵」ははじまったばかり。あるところで話をしていたところ、電動車椅子に乗った中年男性が通っていった。リーフレットを配布している女性スタッフに何やら話している。困った顔をしているところに男性スタッフが駆けつけた。何か苦情なのだろうと推測したが、話を続けるしかない。納得したのか男性は電動車椅子で移動していった。スタッフに聞くと「挨拶したのに無視された」というのだ。その男性は「下半身不随だ」とも語ったそうだ。しばらく訴えを続けていたところ、再びその男性が戻ってきた。驚いたことに電動車椅子から身軽に降りるとスタスタと歩いて私のところにやってきた。「何でさっき無視したんだ」というので、そんなことはしないと伝えるとすぐに納得してくれた。あとでスタッフに確認すると「下半身不随」だと確実に言ったという。電動車椅子でずっと移動していたことはこの眼で見ている。ところがまったく普通に歩いているではないか。うーん。行政はどう判断しているのだろうか。夜になり銀座の教文館。半藤一利さんの『それからの海舟』(ちくま文庫)を入手。南青山で田中康夫さんと会食、四方山話。

2008/07/09

維新群像のロマンはいまも

 7月8日(火)080708_15160001 朝から「週刊朝日」の原稿を書く。予想外に難航。時間切れで銀座の京都新聞へ。T記者からオウム事件についての第1回目の取材を受けること2時間。事件概要と私的メモリアル、さらにいまなお残っている重大疑惑について説明。新橋まで歩いていると大木凡人さんにバッタリ。高知新聞の依光隆明編集委員と待ち合せ。土佐料理の「そのまんま」で世間話。鰹の心臓「チチコ」には驚いた。店には坂本龍馬の肖像写真があった。司馬遼太郎さんの「竜馬が行く」は、「龍馬」を「竜馬」としたことでもわかるように、司馬流の人間像だということで一致。歴史家の半藤一利さんは、龍馬がいなくとも明治維新は起きたとする。龍馬ファンの私などはまだ不服だが、作られた龍馬像があることは否定しない。それでもそこにロマンがあるからいいではないか。西郷隆盛、勝海舟、山岡鉄舟がいなければ維新はなかっただろう。あの時代の維新群像は誰もが歴史に評価されることを望んで活動していたわけではない。やむにやまれぬ日本への思いがあったからこそ歴史を精一杯に走り抜けたのだ。依光さんは中岡慎太郎がいいという。その中岡に「泪ヲカカエテ沈黙スベシ」という言葉があると聞いた。維新期の逆境にあったときの感慨だ。帰宅すると日本テレビでカウラ捕虜収容所から脱出を試みた史実をドラマにして放送していた。後半しか見ていないが、意気を感じさせる番組だ。小泉孝太郎などの好演。2年後には龍馬を描くドラマが放送されるという。歴史ドラマを若いタレントが演じるときには、顔立ちからどうしても現代を感じてしまう。しかしこれまた仕方がないのかもしれない。地下鉄ではごみ箱が撤去されただけでなく、自動販売機まで販売中止となっていた。過剰警備の異常は続く。

2008/07/08

拉致問題を解決する責任は政府にある

 7月7日(月)グラムシのいう「機動戦」から「陣地戦」へ。大泉学園駅で訴え2時間半。その後も練馬の各駅で定点「辻説法」。NHKや「ジャパンタイムス」の記者が声をかけてくれた。旧大洋村の石津政雄前村長に教えてもらったストレッチをやりすぎたため腰部周辺に鈍痛。ジムのプールを歩き、少しだけ泳ぐ。六本木で幸田シャーミンさんに会って、打ち合わせと相談。永田町に移動して星稜会館で行われた「北朝鮮への制裁解除に反対する緊急国民集会」を取材。参加国会議員は自民党、民主党、公明党(メッセージ)。櫻井よしこさんは司会にもかかわらず、山崎拓、福田康夫批判などの自説を開陳。横田早紀江さんなど被害者家族の訴えにはいつも共感と責任を考えさせられる。早紀江さんは言った。「ここにいる議員はずっと熱心に取り組んできてくれました。ほかの議員には子どもさんはいないんでしょうか」。オウム事件のときにも思ったことだが、他人の痛みを自分の問題としてどう背負うかという問題だ。解決へのアプローチで見解はさまざま。それでも拉致問題を解決することでは、すべての国会議員が一致できるはずだ。ところが強烈なイデオロギー的主張を全面に出せば、一致できるものもできなくなる。「軍事オプションを持たなくてはだめだ」と訴える議員に会場から強い拍手。私は強い違和感を感じたが、それを信念とする議員がいて共感する者がいるのも理解できる。ただし拉致問題を本当の国民運動に発展させるためには、自説を保留してでも戦線の拡大を図らなくてはならないのではないだろうか。原則は守らなければならない。北朝鮮の「再調査」などに期待するわけにはいかない。アメリカがテロ支援国家指定を解除するまであと30日。横田滋さんは集会に欠席。その滋さんがかつて語った言葉を忘れるわけにはいかない。「私たちはアメリカに協力を求めたのであって解決を頼んだのではないんです」。北朝鮮による拉致問題を解決する責任は日本政府にあるのだ。

2008/07/07

節談説教はやはり大衆芸能の源流だ

7月6日(日)080706_15420001 蒸し暑い一日。もはや初夏。築地本願寺で行われた「念佛ノ源流」に出席。とても楽しみにしていた催しだ。昨夏も7月3日に節談説教の布教大会がここで行われたが、参議院選挙の立候補予定者として神戸から徳島に向かったために参加できなかった。まずは親鸞上人が生きていた鎌倉時代の精進料理を食べる。「紫水」の長島博料理長が説明。当時は調味料としての砂糖も醤油もなかった。砂糖代わりには甘蔓の葉を煎じて水あめのようにして、醤油の代わりにはたれみそを使い、大豆を煎った汁を使ったそうだ。最初に「魚山聲明」を1時間聴く。「如法念仏作法」は昭和8年まで京都の西本願寺でも唱えられていた。東京で公開されるのははじめてのこと。しかも水原夢江師は、魚山聲明をただひとり継承している方だ。ときどき眼をつむって聴き入っていると、まるで別世界にいるような荘厳な気持ちになってくる。そして待ちに待った節談説教は、廣陵兼純師による「此去不遠」。遠からずここを去る人間は、生まれて人になることを目的とする。これまでCDで節談説教を何度も聴いてきた。最近はいつも小沢昭一さんの「板敷山」を聴きながら、いつしか眠りに就いている。しかし歌手をテレビやCDで聴くのとライブとがまったく違うように、これが節談説教かと感嘆した。まさに語るがごとく、歌うがごとく。話がいつしか節になり、節がいつしか話になる。しかも教えを説く例示は世俗的でもあるからなじみやすい。落語、講談、浪花節などの源流であることが実感として理解できた。これを「辻説法」のどこかで応用できないものかといつも思ってきた。今日の節談説教に聴き入っていて、いくつかのヒントはあった。それは実践のなかで体得していくしかない。もちろん伝えたいことと身体の一体化が前提である。銀座に出て山野楽器と教文館に立ち寄る。地元の「遊菜」で長女を囲んで家族で食事。

2008/07/06

旧大洋村で驚くべき光景を目撃した

 7月5日(土)080705_17190001 朝から茨城県鉾田市へ。旧大洋村に出かけたのは、16年間村長を務めた石津政雄さんに話を伺うため。健康増進施設の「とっぷ・さんて大洋」からは海が眺める。ときに木村拓哉さんがサーフィンに訪れ、ここにある温泉に入ることもあるそうだ。この旧大洋村では健康プロジェクトに取り組むことで体力年齢が若返り、高齢者医療費を下げているのだ。たとえばある人は1年間に43万円6000円かかっていた医療費が、3年間トレーニングをすることで20万4000円にまでなった。寝たきりにならないためには大腰筋(だいようきん)を鍛えればいいことが、東大や筑波大学のスポーツ医学でも明かとなっている。そのトレーニングを持続すれば、高齢者でもみるみる体力は向上するというのだ。石津さんから説明を受けて、実際に施設を見て歩いて驚嘆した。まずはトレーニングルーム。テレビのバラエティで「あーっ!」とリポーターが叫ぶような光景が眼に入ってきた。腹筋と背筋を鍛える器械に座った男性が、90度後ろに身体を倒し、そのまま腹筋を使って起き上がる。それをずっと続けているのだ。ひょいひょいといった軽さだ。一段落したところで年齢を聞くと、75歳だというので、さらにびっくり。プールに行くと女性がビート板で泳いでいた。80歳だ。クロールで泳いでいる女性は75歳。声をかけたときまでに750メートルだという。近くにある「さんて旬菜館」に行くと、地元でとれた野菜や卵などがいっぱい。ラベルにはすべて生産者の名前が印字されている。メロン、西瓜が美味しい。午後6時からは近くにある特別養護老人ホーム「うぇるさんて」を見学。ここでは近く沖縄のエイサーを入所者に教えることになっている。沖縄市から来た青年の指導で職員といっしょにエイサーを教えてもらった。腰を落として大地を踏みしめる動作が大腰筋を鍛えることも、すでに研究で明かとなっていること。高齢者にエイサーを教えることで健康維持と増進を計るのも、日本ではじめて。石津さんに簡単にできるストレッチを教えてもらいながら思ったことは、この日本では大学などでの研究成果が現場に生かされていないことだ。ちなみに「さんて」とはフランス語で健康を意味する。加藤哲郎さんのホームページで紹介された「高貴高齢者」の歌声が蘇ってきた。この旧大洋村の先進的取り組みについてのルポは「週刊朝日」に近く書く。

2008/07/05

統一教会人事情報

国際勝共連合 と世界平和連合の会長をしていた国時昭彦氏(1800組の合同結婚式)が北東アジア大陸副会長に就任。その後任には、パラグアイで誘拐された太田洪量氏(64歳777双)が返りざきました。ポスト文鮮明教祖の布陣が日本でも摸索されているように見えます。


『誘拐捜査』の新しい視点に共感

 7月4日(金) ホテルの部屋で中郡英男さんの『誘拐捜査』を読む。1963年に起きた吉展ちゃん事件の捜査をテーマとしたノンフィクションの力作だ。伝説の名刑事だった平塚八兵衛さんが小原保を「落とした」ことは間違いない。当時現場で取材していた中郡さんさんもまた平塚さんから聞いた話を記事にして掲載(事件が解決した1965年の東京新聞)している。ところが事件解決以降にわかったことは、名刑事の成果といった単純な構図でなかったということだ。中郡さんはこうまとめている。「強いて言えばそれは警察内部の反目と抗争、旧来の捜査手法と近代合理捜査との葛藤、紆余曲折の時間経過と偶然などが複雑に重なり合った末の決着であった」。叙述に手法として新しいものがあるわけではない。しかしノンフィクションの正統派の作品としてとても面白かった。私が注目したのは中郡さんが1930年生まれということ。退職をしてからもテーマを追い続けて完成させた膂力には驚かされる。「これを書かなくては」との思いはきっと生活のなかであふれ、ときに焦燥感にも駆られたのではないかと勝手に想像する。ひるがえって単行本『X』のことを思うのであった。中洲で昼食。佐賀県から福岡に通っているタクシーの運転手さんから博多の景気を聞く。鳥栖では7年前にガソリン代1リットルあたり80円だったものが、いまでは180円。「屋台も大変です」という。春日市のグローバープラザで福岡県が主催する農産漁村地域人権問題啓発推進研修会で講演。福岡から羽田。通路を歩いていたら三宅久之さんに会った。読売テレビの仕事帰りだという。知人たちと待ち合わせている新宿へと急ぐ。

2008/07/04

一年ぶりの福岡の夜

7月3日(木)080703_22050001_2 役員会を終えて文藝春秋。サロンで石井謙一郎記者と珈琲を飲みながら統一教会のことなどで雑談。8月に発売される別冊「宝島」に石井さんが書いたリポートは力作。統一教会がいかにカネまみれであるかが驚く事例で明らかにされる。新宿で甲斐バンドの甲斐よしひろさんにバッタリ。竹村文近さんに鍼を打ってもらう。ここしばらく身体が重かった。それがすっきり。頭頂の一鍼が決定的だったような気がする。常盤新平さんは、原稿が書けないとき、頭頂部に3本ほどブスッと打ってもらうそうだ。電車で座っていたら額に血がしたたり、乗客がびっくりしたこともあったそうな。羽田から福岡。ホテルに荷物を置いて一年ぶりの「うえ田」。参議院選挙のときのお礼を伝えつつ玄海の魚と寿司に満足。東京にこれだけの値段でかくも質高い店があればなあといつも思う。バー「いしばし」。名店なのだが若い客がうるさくてすぐに退散。「幸来軒」でラーメン。ホテルで中郡英男さんの『誘拐捜査』(集英社)を読む。つかの間の休息だ。

2008/07/03

毎日新聞夕刊「特集ワイド」に登場

今日3日の毎日新聞夕刊「特集ワイド」に出ます。テーマは「カレセン」。リード文を紹介します。

 若い女性の間にカレセンが増えているという。カレセンとは「枯れたおじさんが好きな女子」のこと。その魅力を語った「カレセン 枯れたおじさん専科」(アスペクト)なる本まで出て、注目されている。ちょい不良オヤジなんてもう古い。時代はカレセンなのである。【小松やしほ】

「辻説法」は再会の場

 7月2日(水)石神井公園駅の北口で朝7時前からリーフレットを配りながら訴え2時間20分。ここでも懐しい人たちと再会した。まずは宇宙飛行士・向井千秋さんの夫である向井万起男さんとひとこと立ち話。さらに二女が保育園に通っていたときの保育士だったMさん、共産党幹部のNさん、「ザ・ワイド」のディレクターだったMさん、アナウンサー山本文郎さんの事務所のSさんだ。「辻説法」は「再会の場」でもある。練馬区がベネッセに委託して運営されている保育園へ。そこはベネッセが運営する介護付き有料老人ホーム「くらら」の1階にある。いずれ高齢者と保育園児の交流も行われるという。こうした世代間交流はとても意味あることだ。しかし期間設定型契約(入居金はなく、毎月支払う)では、介護保険料や「くらら」での介護費用を加えると、自己負担見込み額は37万4228円もかかる。入居金型契約の場合は、はじめに1008万円を支払わなくてはならない。これだけの条件を満たす高齢者がいるにしても一部ではないか。大泉学園駅で立ち話をした高齢女性の話が思い出された。夫は入院。いま生活費は3万円だという。それでは暮らしていけないので、娘さんが5万円を仕送りしている。持ち家だというのだが、これでは厳しい。別の女性が言っていた。「希望のない社会になってしまいましたねぇ」。自転車に乗る2人の女性が声をかけてきた。介護の仕事をしているという。30代の熱心な男性が退職したことを嘆いていた。理由は低賃金なので結婚もできないというものだった。医療・福祉中心の産業構造に変えて行くなかで雇用や施設を増やし、ある水準の賃金を補償する日本にならなくてはならないと確信する。

2008/07/02

親鸞の時代の精進料理を再現

 7月1日(火)080701_16560001 銀座にある京都新聞の東京支社。8月に5回にわたって連載予定の「時代の証言 オウム問題」の取材を受ける。京都、滋賀にちなみある者が証言するシリーズだ。いまの連載は瀬戸内寂聴さんでテーマは源氏物語。事件を振り返ることも必要だが、「いま」につながる問題ーたとえば神戸事件から秋葉原事件までーについて語るつもりだ。築地本願寺で6日に行われる「念佛ノ源流」の参加費を払う。親鸞が生きていた鎌倉時代の精進料理を再現し、お経に節を付けた「声明」(しょうみよう)や節談説教も公開される。午前の部は220人の定員が満席。午後の部はあと40席の空きがある(1日午後4時現在)。精進料理は3000円。ただし声明や節談説教を聞くだけなら無料だ。地下鉄で日本橋。「丸善」で本を見てから中野。中野サンプラザでの「インサイダー」の録画取材は秋葉原事件。そのあと日本の医療を守る市民の会で色平哲郎・長野県南相木村国保直営診療所長の話を聞く。地域医療は日本の未来を示唆している。税金の44パーセントしか戻ってこないシステムを認めるのか、それともスウェーデンのように74パーセントが戻ってくるような「信頼ある政府」を作るのか。懇親会には出ずに「らんまん」。それにしても洞爺湖サミットの警備は異常だ。ますます警察官の数は増えている。陸海空自衛隊もイージス艦、空中警戒管制機(AWACS)だけでなく、防衛大臣に直轄する「中央即戦集団」からサリンなどに対応する化学防護隊まで動員されている。街を歩いていて管理国家をこれほど感じることはない。

2008/07/01

英文毎日のトンデモ記事ー2つの問題

 6月30日(月)080701_00450001 早朝の石神井公園で2時間、大泉学園で30分の訴えをしてから澤田篤さんのスタジオで写真撮影。日焼けで顔がパサパサ。それを抑えるのに時間がかかる。さらに池袋駅東口で1時間、新宿駅近くで30分。池袋では話を聞いてくれた33歳のフリーター青年と立ち話。派遣に契約しているが長期の仕事はなく、たいてい1日だけの作業だという。やはり小泉政権で改悪された労働者派遣法を改めることは喫緊の課題だ。桂花ラーメンでの遅い昼食は「太肉麺」。小林クリニックで「ニンニク注射」。新橋に出てサウナアスティルで急いで汗を流す。銀座まで歩いてバー「ル・ヴェール」。毎日新聞夕刊編集部の小松やしほ記者から「カレセン」をテーマに取材を受ける。この話題での取材は4度目。まずは「週刊ポスト」、さらに関西テレビ、読売テレビ、そして今回だ。このメディアを見ても「面白がり度」には傾向があるのかも。掲載は7月3日の夕刊。「ル・ヴェール」のカウンターにいる姿が写真では使われる。小松さんと神保町の「萱」。そこに毎日新聞の小川一社会部長とNさんがたまたまやってきたので、4人でワイワイ。英文毎日新聞の問題などを聞く。問題となった記者の記事が、2900本書いたなかの10本ぐらいだったにしても言い訳は通用しない。チェックできなかった体制にこそ問題がある。しかしここぞとばかりに毎日新聞を攻撃し、「硫化水素」での犯行を宣言する者まで現れている。匿名で実力行使をそそのかす「銃眼から敵を撃つ」卑怯者には適切な対応が必要だ。「10代や20代でしょ」と聞けば「いいえ、どうも30代、40代のようですよ」とのこと。帰るつもりでいたら小松さんから毎日新聞の横に出ている屋台に行こうと誘われる。小川さんからも「ぜひ」と言われたので、たまにはいいかと竹橋。本当にあった。深夜通用門を開けるとそこに屋台が出ていて、ビールケースに腰掛けて飲んでいる。小松さんが運動部の野村隆宏編集委員、石井朗生記者を呼びだして深夜まで北京オリンピック談義。

フォトアルバム

2008年7月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近の記事

最近のトラックバック

オンライン