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韓国との交流中止へ、新発田
日本政府が中学校の新学習指導要領の社会科解説書に竹島(韓国名・独島)を初めて明記する方針を決めたことを受け、新発田市と30年近くスポーツ交流を続けている韓国議政府(ウィジョンブ)市は17日までに、8月上旬に予定されていた交流大会の延期を通知する文書を新発田市に送付した。同市体育協会は同日に緊急会議を開き、今年の大会を中止することを決めた。
新発田市と韓国議政府市は友好都市関係にあり、両市は1981年から年1回、互いに行き来する形で小中学生のスポーツ交流大会を開催。今年は、8月1日から3日まで議政府市で行われ、新発田市の小中学生ら84人が参加する予定だった。
同市教育委員会によると、大会中止は歴史教科書問題をめぐって開催を取りやめた2001年以来2回目。
市教委によると、文書は議政府市の金文元市長名で16日、新発田市役所にファクスで届いた。竹島問題を挙げ「韓国国民と議政府市民の情緒が急激に変化し、今年の親善交流日程を延期することが不可避と判断する」としている。
中止について新発田市体育協会の大沼淳会長は「政府間の領土問題と長年続いてきた民間レベルの交流は別次元。子どもたちが準備を進め、楽しみにしていたのに残念だ」と話している。
新発田市の片山吉忠市長は17日、「訪韓を心待ちにしていた子どもたちの心情を思うと心が痛む。政治問題に影響されない相互の信頼関係構築が重要だとあらためて感じている」とのコメントを発表した。
新潟日報2008年7月17日
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