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ニッポン背負い!キャプテン桂治

「日本の主将」鈴木桂治
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 北京五輪開幕まで、あと1カ月。金メダル16個を獲得したアテネ五輪を超える活躍を目指す日本選手団も、一部種目を除いてほぼ決まりつつある。360人を超えるアスリートのトップに立つのが主将を務める柔道男子100キロ級の鈴木桂治(28=平成管財)と、旗手の卓球女子、福原愛(19=ANA)。自らの競技成績だけでなく、日本の顔として世界に“チームジャパン”をアピールする2人の今を探った。

 主将就任の打診を受けたのは、フランス・ノルマンディーでの合宿中だった。「いろいろ考えて(主将就任を)嫌がる選手もいるかもしれないけど、僕は光栄だと思った。周囲の人も喜んでくれたし、人を喜ばせるのは僕の励み」。鈴木桂治、28歳。アテネ五輪の柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得した男は、選手団主将を「五輪代表になるだけで凄いのに、その主将。すげえこと」と素直に喜んだ。

 アテネ五輪では尊敬する井上康生・現東海大柔道部コーチが主将を務めた。その井上は、男子100キロ級で惨敗。しかし、井上と同じ階級で日本人初の五輪2階級制覇を狙う鈴木に、ジンクスは存在しないという。「みんなの前に立つことで、変な行動はできないなあとは思う。けど、僕はできることしかしないし、柔道の何かを犠牲にすることはない。重荷になることはない、ですね」

 柔道で結果を残す。と同時に、人として規範を示す。原点は国士舘中3年時の夏の日にあるという。「寮生活で決められていた勉強の時間には、必ず川野(一成=現国士舘中、高柔道部総監督)先生がおにぎりを運んでくれた。ある日、減量中の選手がそれを残して、翌朝まで放っておいたんです」。3年生6人が殴られた。「恩を受けることが当たり前だと思うな、と。強いだけじゃダメだと教えられた」

 8日は母校の国士舘中、高で行われる壮行会に参加し、原点回帰を図る。「五輪代表全員が、所属先に帰ればトップに立つ存在。僕が主将としてすることなんて、壮行会とか開会式とかの、ちょっとしたことだけ。それでも、指導者としての将来にプラスになると思う」。集大成と決めた大舞台の試合日は8月14日。畳の上での雄叫びが日本選手団を加速させるはずだ。

 ≪“準地元で輝くツーワーワー”≫日本選手団の中で、最もアウェーの雰囲気を感じない選手と言っても過言ではない。4歳で初めて中国を訪れ05、06年は中国スーパーリーグでプレー。現地で「瓷娃娃(ツーワーワー=陶器のお人形さん)」というニックネームがつくほど人気がある福原が、史上最年少の19歳で旗手の大役を担う。

 「私なんかでいいのかなっていうのが一番にあるので、恐縮です」

 15歳で初出場した04年アテネ五輪はシングルスで16強に進撃。卓球女子のエースとして迎える北京では日本得意の団体戦が採用され、メダル獲得を狙う。「前回(アテネ)は想像がつかなかったけど、今回は違う。五輪は自分を表現できる場所。キラキラしてるイメージですね」。日本選手団の先頭に立つ開会式で、夢をかなえた表彰台で、福原のはじける笑顔を誰もが待っている。

[ 2008年07月08日 ]

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