県は16日、天草市河浦町の女性(73)が、フグと同じ毒性分を含んだ巻き貝「キンシバイ」を食べ、食中毒症状を起こしたと発表した。一時、心肺停止状態となったが、現在は意識を回復し快方に向かっているという。
健康危機管理課によると、女性は14日午前9時半~10時半ごろ、知り合いの漁業夫婦が同町沖の産島近くで捕ってゆでたキンシバイ20個を譲り受け、孫の男児(5)と一緒に食べた。正午ごろ、舌のしびれや呼吸困難などの症状を起こし、病院に搬送された。孫は異常がなく、捕った夫婦も昼ごろ食べたが、影響はなかったという。
キンシバイは、日本近海の水深10~30メートルの砂地にすみ、まれにフグ毒と同じ「テトロドトキシン」を含む場合がある。流通することは少ないが、昨年7月、長崎市内の農水産物直売所でこの貝を購入した女性が食中毒症状を起こした。【門田陽介】
毎日新聞 2008年7月17日 地方版