メディア業界、出世の花道「メディア業界のお金と権力」
メディア業界にいても、うだつの上がらない社員じゃつまらない。比較的フツーな企業形態を持つ広告業界を除く5業界について、現場の声をガッチリ紹介!
「制作会社のアシスタントディレクターからスタートしてディレクターになり、局のプロデューサーに気に入られて放送局のディレクターになれた」(民放ディレクター)という絵にかいたような出世コースもある。アシスタントディレクターの期間は4年間、入社して6カ月間は休みナシだ。200万円台の年収からはじまって、プロダクションのディレクター時は600万円、局に移って1000万円に跳ね上がった。
「プロデューサーになれば2000万円でしょうか。ただ、モノ作りしたいかマネジメントしたいかが問題。僕はディレクターで満足です」(同前)。給与も出世も決まった制度はなく、純粋に「腕を認められる」ことで上がっていく職人の世界。「ラジオは早ければ1年でディレクターになれる人もいる」(業界関係者)というから、狙い目はコチラかもしれない。
「新聞社にもよるが、朝日は2〜3年で地方を点々とするし、毎日は5年間地方を回った後に本社。読売はずっと地方だと聞きます」(業界関係者)と本部の出世コースに入るのはごくわずか。順調に行けばキャップ、次長(デスク)、各部の部長、局次長、編集部長へと進むが、「管理職への出世」を考える人は少なく、定年まで記者、という人も多いらしい。「体力面から事件などは担当せず、“近所に花が咲いた”のような記事を書く」(記者)そうだ。
次長と同列の立場でモノを書くのは編集委員や論説委員。ただしこちらもごく一部で、それも50歳を過ぎてからだ。全国紙をはじめ多くの新聞社が年齢で昇給。役職は重要ではない。
週刊誌であれば週に3本以上の企画書を作成。同時に通った企画を回していく。編集プロダクションでこれを3〜5年経験し、自信をつけてから出版社に移る人も多いという。その後は「モノを書くのが好き!という人は独立してフリーライターやジャーナリストになる人も多い」(大手・記者)し、雑誌自体が好きなら編集長を目指す。
「ただ、文春は50年で編集長は25人と2〜3年で交代しているのに対し、新潮は50年で5人。10年に1度の交代なので、その時点で若過ぎても歳をいき過ぎてもいけないのです。タイミングと運ですよね」(業界関係者)という。編集長の個性が反映される雑誌。そこを目指すのであれば、転職前に各出版社の編集長就任歴を確認してはいかがか。