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現在の位置 : トップページ > 困った時のヒント > 商品テスト結果 > 注意!!−薬事法違反となるステロイド含有の化粧品クリーム−
[2008年7月16日:公表]
6月21日以降当センターに、化粧品クリーム『NOATOクリーム』に関する以下のような情報や相談が少なくとも8件寄せられている(消費者トラブルメール箱に7件、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に1件)。内容は主に、医薬品成分のステロイドホルモン(以降、ステロイドとする)に関する不安や使用後の状態への疑問についてである。そこで緊急に、当該製品にステロイドが含まれていないかを調査した。
【事例】
通販にて購入した。ホームページには「ステロイド不使用、副作用なし」と記載されていた。しかし、使用してみるとあまりの即効性にステロイドが入っているのではと思い、販売元に問い合わせたが、ステロイド不使用と断言された。しばらく使用したが、怖くなり、使うのをやめたところ、ステロイドのリバウンドと同じような症状になった。使用前より悪化した。商品の成分を調べてほしい。
(情報提供者:30歳代、女性、東京都)
当該商品は化粧品クリーム『NOATOクリーム』だが、販売者は株式会社 ZEAL、株式会社 ハートスタッフ トピアなど数社であった。そこで株式会社 ZEALから購入した『NOATOクリーム』について、医薬品成分のステロイドが含まれていないかを調査した。
プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酢酸コルチゾン、プロピオン酸クロベタゾール合計9種類のステロイドについてテストした結果、プロピオン酸クロベタゾールが検出された。
ステロイドは一般的にその効果の強さによって5段階に分けられ、プロピオン酸クロベタゾールは外用ステロイドホルモン製剤としては最も強いランクに属しており、当該商品に含有されているプロピオン酸クロベタゾール0.047%は、日本で医薬品として承認されているプロピオン酸クロベタゾール製剤とほぼ同一の含量となっている。従ってこの商品は、無承認無許可医薬品に該当し、薬事法に違反するものと考えられる。
「ステロイドは一切使用していない」と謳っておきながら、実際にはステロイドが含まれていたことは極めて大きな問題である。
『NOATOクリーム』に含有されたプロピオン酸クロベタゾールは、ステロイド外用薬としては極めて効果が強い分類のものである。湿疹に対して効果がある一方、細菌などの皮膚感染症に対して使用してはならない(禁忌)とされている。また、皮膚萎縮や緑内障等の副作用があり、依存性の高さや、使用を中止した場合のリバウンドの大きさなどの面からも、本来、医師の管理下でのみ用いられるべきものである。もし当該製品を使用している場合、直ちに専門医に相談すること。
当該商品は無承認無許可医薬品に該当し、薬事法に違反すると考えられる。消費者の健康被害防止の観点から、事業者の指導など、早急な対応を要望する。
本件連絡先
商品テスト部危害情報室 電話 03-3443-6223
(テスト結果については、下記宛にお問い合わせください)
商品テスト部 電話 042-758-3165
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