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阪南市立病院改革懇が初会合 「特例債」適用に向け試算
総務省の公立病院改革ガイドラインに基づき、阪南市立病院の改革プラン策定を進めている大阪府阪南市は16日、有識者の意見を聞く「市立病院経営改革懇談会」の初会合を市役所で開いた。ガイドラインでは、医師不足などで発生した不良債務を振り替える「公立病院特例債」を発行できるとしているが、その確実な返済計画も求めており、阪南市立病院の場合、1日平均153人以上の入院患者が必要との試算を市側が示した。
懇談会の委員は、医師会や医療関係団体、福祉団体などから9人で構成。座長に京都大学大学院医学研究科の今中雄一教授(医療経済学)を選出した。
市は、これまでに改革プラン策定に向け、庁内組織の「市立病院役割検討作業部会」と「市立病院経営改善・経営形態検討作業部会」で市立病院の現状や課題をまとめており、この日の懇談会で中間報告を示した。
経営改善についての報告では、市立病院の立て直しに必要な病院特例債を返済するための収支予測が示された。発行額は10億5000万円とし、7年返済の場合、元金返済で毎年1億3700万〜1億6400万円が必要と試算。返済のためには1日平均の入院患者数153人以上が必要とした。
総務省のガイドラインでは、効率化をはかる期間を3年としている。阪南市立病院の153人の入院患者数は段階的に達成するとしているが、従来の同市立病院の入院患者数は120人程度で、委員からは「(達成は)かなり難しいのでは」という意見も出た。
改革プラン策定のスケジュールは、9月に懇談会を再度開催。10月に素案を作り、市民から意見を募った上で、12月に決定する予定。