西日本新聞

医療機関と求職医師結ぶ 「ドクターバンク」開設 都市偏在解消へ県運用

2008年7月16日 01:41 カテゴリー:九州・山口 > 熊本

 県は深刻な医師不足の解消策として、県内で就業を希望する医師と、県内の医療機関を橋渡しする「熊本県ドクターバンク」の運用を開始した。すでに17の公立病院と4診療所が計64人の求人を登録、県のホームページ(HP)を通して情報提供している。県によると、同様の紹介所は全国で40カ所目。九州では佐賀県を除く6県が開設している。

 バンクの仕組みは、事前登録した医療機関が県に求人登録書を提出。県はHPや広報誌などで情報発信し、医師の求職登録を呼び掛ける。登録した医師には、県職員が勤務地や診療科などの希望を聴取した上で、医師と医療機関が面談し、合意すれば就業契約を結ぶ。

 県は今後、登録医療機関を増やす一方で、東京事務所などを通し、Uターン希望者や、結婚や出産で離職・退職した医師を中心に求職者を募る。利用料は無料。

 県医療政策総室によると、県内の医師は2006年12月末で4406人。人口10万人当たり240人で、全国平均を34人上回る。ただ、医師の多くは都心部に偏在。同室は「熊本市以外は医師不足地域」として、熊本大医学部との連携や、女性医師の就業継続支援などの取り組み強化を検討している。

 同室は「医師不足は全国的な問題で解決への決め手はない。ドクターバンクを入り口に、さまざまな努力を続けたい」と話している。問い合わせは同室=096(333)2204。

=2008/07/16付 西日本新聞朝刊=

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