携帯電話が原因とみられる低温やけどで、03年から5人が重軽傷を負っていたことが15日、経済産業省の調べでわかった。製品に欠陥がなくても、一定の条件で使い続けると42度まで発熱することが確認されており、経産省は注意を呼びかけている。
経産省によると、愛知県内の工場で昨年8月、20代の女性がズボンのポケットに携帯電話を入れて3、4時間作業したところ、携帯電話が当たっていた太ももに低温やけどの重傷を負った。当日の気温は38度だった。
経産省所管の独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)などの実験では、同じ気温でジーンズのポケットに入れたところ、待ち受け状態では本体の温度が36度までしか上がらなかったが、通話状態が続くと45分後に42度に達した。事故当時、通話状態だったかは不明という。製品に欠陥はなく、メーカーはリコールをしていない。
このほかにも、NITEには、うつぶせで寝ていた額に充電中の機体が触れていてやけどした▽ワイシャツの胸ポケットに入れていて脇腹がやけどした▽テレビ電話機能を使用中に電池パックが発熱して指をやけどしたなど、4件の軽傷が報告されている。