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07/15-14:47--犬島貝塚の年代確定 9800〜9600年前 瀬戸内海形成解明に期待 焼成前穿孔土器も出土

 犬島貝塚調査保護プロジェクトチーム(代表・遠部慎・国立歴史民俗博物館研究員)は14日、「犬島貝塚」(岡山市犬島)の年代が縄文時代早期・約9800年〜9600年前の遺跡と確定し、瀬戸内地方で初の出土となる焼成前穿孔(せんこう)土器も見つかったと発表した。  県庁で記者会見した遠部代表によると、同貝塚で見つかったヤマトシジミを「炭素14年代測定」で調べ、年代が判明。西日本最古の約1万200年〜9800年前の礼田崎貝塚(香川県)よりは新しいが、約9600年〜9400年前の黒島貝塚・黄島貝塚(瀬戸内市)よりも古いことが明らかとなった。  約2万年前の瀬戸内海は、現在より海面が約140メートル低かったが、約1万2千年前ごろから徐々に海水が流入。約9千年前に海がつながり、約6千年前にほぼ今の形になったとされるが、この間の形成過程は詳細に分かっていない。  今回、海水と真水が混じる汽水域に存在した犬島貝塚の年代が、同じ汽水域の礼田崎貝塚と干潟の黒島貝塚・黄島貝塚の間に入ることが分かったことで、約1万年前〜9500年前の500年間の瀬戸内海の形成過程の解明が期待できるという。  このほか、九州地方と高知県以外では発見されたことがない無紋の焼成前穿孔土器も出土。約1万年前〜9500年前の遺跡で見つかるこの土器と同時期のものは、瀬戸内地方では東日本から伝来したとされる山形文土器しか見つかっていなかった。  同貝塚は1980年、地元の考古学愛好家・小野伸さん(45)=岡山市=らが発見。長く学界に知られていなかったが、福武教育文化振興財団(同市)の支援で今年5月、本格調査がスタートした。  これまでは主に目視での調査にとどまっていたが、地権者との調整が付き、8月から本格的な発掘調査に入る。  遠部代表は「(年代が確定したことで)海が変わりつつあるところを解明できるので、意義は極めて大きい。発掘調査では貝層を詳しく調べたい」と話している。

道の駅へちょっとドライブ黒井山グリーンパークwww.okanichi.co.jp/okkuroisan.html

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