2008年 7月 15日
循環取引で加ト吉元常務らを逮捕
観音寺市の冷凍食品大手、加ト吉の不正取引で、元役員らを逮捕です。香川県警は15日、偽造した印鑑を使って銀行から11億円余りをだまし取った疑いで、元常務ら3人を逮捕しました。詐欺の疑いで逮捕されたのは三豊市山本町の加ト吉の元常務高須稔容疑者69歳と、福岡市の元貿易会社社長山元憲治容疑者59歳ら3人です。警察などによりますと高須容疑者らはおととし8月、加ト吉の子会社、加ト吉水産の偽造した印鑑を使って大阪市の商社との間で売買契約書を作り、健康食品を購入する取引があったように偽装しました。そして、商社から債権を譲り受けたみずほ銀行から約11億3千万円をだまし取った疑いです。調べに対し高須容疑者は「間違いない」と容疑を認めていると言うことですが、山元容疑者らは「だますつもりはなかった」などと容疑を一部否認しているということです。加ト吉を巡っては去年、架空の売り上げを計上する循環取引が発覚し、1000億円を越える売り上げの水増しが明らかになっていて、警察が全容解明を急いでいます。

岡山県と慶尚南道交流協定締結中止
岡山県と友好交流協定を結ぶため岡山市を訪れていた韓国の慶尚南道の訪問団が15日、突然帰国し、協定の調印が中止になりました。日本と韓国が領有権を主張する竹島問題の影響と見られています。岡山県と慶尚南道は15日午後、岡山県庁で双方の知事が出席し、友好交流協定を結ぶ予定でした。しかし、15日朝県の担当者が訪問団の宿泊先に迎えにいった時には帰国するため、既に出発していました。後を追いかけた担当者に慶尚南道のキム知事は「歴史の中でいろいろな時期があって、今の時期に協定を結ぶのは良くないと思う」と話したということです。明確な理由は明らかにしていませんが、14日、文部科学省が公表した中学校の学習指導要領の解説書に日本と韓国が領有権を主張する竹島問題が明記されたことが影響したものと見られています。

燃料高騰で全国一斉休漁
燃料価格の高騰で漁に出ても赤字になっている現状を訴えるため、15日、岡山・香川を始め全国の漁協が一斉休漁に踏み切っています。このうち香川県では県漁連に加盟する39の漁協、約5000人の漁師が一斉休漁に踏み切りました。県内有数の漁獲量を誇る高松市の瀬戸内漁協では午前6時から一斉休漁に入ると書かれた張り紙を掲示、漁港には漁師の姿は見られず、閑散としています。香川県漁連ではメンバー約50人が15日、東京で行われるデモ行進などに参加します。

知事「チボリの土地、早期返還が望ましい」
倉敷チボリ公園の存続問題で岡山県の石井知事は公園の土地について地主のクラボウに早期に返還することが望ましいとの考えを示しました。石井知事は15日の会見で現在、検討されている公園を4ヘクタールに縮小した場合の運営の在り方について県が主体となって取り組む考えはないと改めて示しました。そのうえで倉敷市と県が財政支援を行わない以上、来年1月以降、公的支援を受けて、公園を運営することはできなくなったとの認識を示しました。また土地を返還した後の公園の在り方についてはクラボウの開発の中で公園部分が残るようクラボウ側に要請することを明らかにしました。来月、開かれるチボリジャパン社の取締役会では用地の返還と会社の清算について最終的な方向性が示されることになりそうです。

県議会総務委・チボリ問題で県の決断求める
佳境を迎えている倉敷チボリ公園の存続問題について、15日の県議会総務委員会では県が率先して結論を出すよう求める声が相次ぎました。総務委員会では、運営会社チボリ・ジャパン社の会長として石井知事が、早く意見集約するべき、などの声が上がりました。また、県当局は、岡山県の島津副知事と倉敷市の伊東市長、チボリ・ジャパン社の坂口社長の三者会談を提案した事を明らかにしました。しかし、倉敷市から、単独で財政支援しないという市の考えは変わらない、言うべき事は坂口社長に直接言う、として断られたという事です。来月上旬に予定されているチボリ・ジャパン社の取締役会に向けて、県の決断が待たれます。

中学生が選挙を体験
子供たちに選挙について理解を深めてもらおうと、倉敷市の中学校で15日、模擬選挙が行われました。慎重に1票を投じていく生徒たち。これは倉敷市の多津美中学校で行われた模擬選挙です。学校と倉敷市選挙管理委員会が共同で企画しました。今月7日を公示日として、3年生が4つの政党を組織、掲示板に候補者のポスターを掲げたほか、マニフェストを記載した選挙公報も作成しました。投票に使われた投票箱や記載台などは全て実際の選挙で使用されているもので、生徒たちは本番さながらの選挙を体験する中でその仕組みを学びました。倉敷市選挙管理委員会では、こうした取り組みを通じて、将来、投票に行こうと思ってもらえればと話しています。

岡山の共通バスカード10月から廃止
岡山県内のほとんどのバスで使える共通バスカードが今年10月1日から廃止されることが決まりました。廃止されるのは2000円から1万円で販売されている3枚の共通バスカードです。岡山県バス協会などによりますと、共通バスカードの導入から12年がたって清算システムが老朽化し、機械の入れ替えに数千万円のコストがかかることから廃止を決めたということです。県内8社のバス会社の対応はご覧のようになっていて、中鉄の一部路線と両備・岡電・下電の全路線はICカードを導入します。JRバスは全てのカードを廃止し、他のバス会社は自社のバスだけで使えるカードを販売します。10月以降、残高のある共通バスカードについては現金による払い戻しに応じます。岡山県バス協会などでは将来的に全社共通のICカードに移行したいと話していて、バス会社同士の調整を進めることにしています。

元コンビニ店員が代行収納税金を着服
善通寺市のコンビニエンスストアの元店員が、客が支払った自動車税など約60万円を着服していたことが分かりました。着服していたのは善通寺市のファミリーマート善通寺上吉田町店に勤務していた40歳代の元アルバイト店員の女性です。ファミリーマートによりますと、今年4月30日以降、16回にわたって、客が支払った自動車税や通信販売の代金、約60万円を着服していたということです。先月16日、客から通信販売で購入したパソコンの代金が支払われていないと店に申し出があったため、着服の事実がわかったものです。元店員は、現金を受け取ったまま、支払いの手続きを行わなかったり、一度レジを通した後に、取り消すなどの手口で、着服を行っていました。店側は被害者に対して、全額弁済を済ませており、15日までに警察に被害届を提出しました。

稲のヒ素吸収構造を解明
稲が根から有毒な亜ヒ酸を吸収するメカニズムを岡山大学の研究グループが世界で初めて解明したと発表しました。亜ヒ酸を吸収しない安全な品種の開発に期待されています。これは岡山大学資源生物化学研究所の馬建鋒教授のグループが発表したものです。人体に入るとガンなどを引き起こす可能性のある亜ヒ酸が、稲の発育に必要なケイ酸と同じメカニズムで稲に吸収されることを解明したということです。研究グループは去年までにケイ酸を吸収・輸送する2種類のタンパク質を世界で初めて発見していて、亜ヒ酸の分子構造がケイ酸と似ていることから、実験していました。東南アジアのバングラデシュやインドなどでは亜ヒ酸を含んだ米による健康被害が社会問題になっていて、研究グループでは今後、亜ヒ酸を吸収しない安全な品種の開発につなげたいとしています。