帰ってきた。おつとめを終えて、帰ってきた!!! / 「サムライうさぎ」が打ち切られた件 / 変態井上和郎先生が帰ってくるそうです


2008年07月13日(日)

何においても復帰というのは嬉しいものです。桐山光侍をご存知でしょうか。週刊少年サンデーで「戦国甲子園」を描いた後に、週刊少年ジャンプで「忍空」を連載開始。アニメ化もして大ヒット。「ドラゴンボール」連載終了後のジャンプの看板になるかと思われました。しかし、何の説明もないまま突如連載は中断してしまいました。その後、月刊少年ジャンプで2回掲載させ強引に終わらせてしましました。後に桐山先生は当時の事を「コミック・フィギア王」で以下のように語ってらっしゃいました。

「SECOND STAGE」に入ってから休載しましたけど、あれは実は逃げたんです

これぞ仕事場空っぽ!

当時の週刊少年ジャンプの人気作家への過酷さを嫌というほど見せつけられました。さらに逃げ出した時の状況を以下のようにおっしゃっていました。

なんとか入院とかして逃げられないかなって…。そのぐらい本当に追いつめられてた。病院の先生にお願いして、「すいませんが、入院させてください」って。

とにかくビックリしました。その後、桐山先生はジャンプから逃げ出して消えてしまいましたが、10年の沈黙の後にウルトラジャンプで「忍空」を復活。現在も連載中です。逃げ出して消えてしまうかと思いきや、この復活はとにかく嬉しかったです。

また麻生太郎さんが読んでいると噂された「ローゼンメイデン(AA)」ですが、突如連載が終了してしまいました。終了前にPEACH-PITの公式サイトには以下のような日記が上がっており、ファンは幻冬舎と何かあったのではないかと思うのでした。セリフのミスがあまりに多いと前書きした上で。

どうやら担当氏がお疲れだったようです。入稿したの先々月なのになぁ… たまに蒼星石を弟と書かれたり雛苺を末っ子と書かれたりしてたので、もう大概の事には驚かないと思ってましたが…。さすがにちゃんと漫画読んでくれてるのかどうか不安になりますぜ。というか、そもそもネームチェックというものが連載当初から3年、一度もありませんぜ

他にも原稿無くしているのではないかと噂されたりし、結局これからという時に「ローゼンメイデン」はいきなり連載終了してしまいました。しかし、突然の連載終了から2008年の週刊ヤングジャンプ16号で「少女のつくり方 How to make a girl」が掲載され、20号からは「ローゼンメイデン」月一ペースで連載。きっと何か大人の事情があったんだと思いますが、移籍して連載再開というのは素直に嬉しいです。

他にも、木多康昭先生。週刊少年ジャンプで「幕張」を連載しており、とにかく茶化しまくりで一世を風靡。特に実名をあげてヒロミさんの芸が寒いとネタにし、(そういえばヒロミさんも芸能界から消えましたね)抗議を受けてなかった事になったりしました。最終回には主人公はガモウひろしだったと謎の終わり方をしてしまいました。


第一部ガモウ編 完

ちなみに巻末コメントでは「俺は自由だ!」と残して木多先生は消えてしまいました。2年の沈黙の後に、木多先生は帰ってきました。しかも週刊少年マガジンに。

何にしても木多先生が復帰して嬉しかったものです。ちなみに復帰後の新連載「泣くようぐいす」が最後に夢オチだったとしても。その後、「平成義民伝説代表人」をマガジンで連載させて伝説となりました。「大人の事情」「仕事場からっぽ」と某作家2人をモロ描き。当時はジャンプの「ハンター×ハンター」が休載しまくりで、マガジンの「GTO」も休載しまくりでした。

「GTOがマガジンによく載ってなかった理由って、藤沢とおるが逃げ―――
「病気だったんだよ!!」
ぼくも病気だよ


ぼくも病気だよ

やりすぎだ…

この辺りは単行本では一切なかった事にされて、集英社に訴えられて裁判に向う最終回に差し替えられていました。そして木多先生は再び消えました

しかし、我々が愛した漢・木多康昭先生は不死鳥の如く蘇るのでした。3年後、ヤングマガジンにて以下のようなコメントと供に木多先生は帰ってきたのです。

自主規制に反対して断筆してましたが誰も気づいてくれなかった…ヤンマガ初連載です。よろしくお願いします。

とにかく木多先生が帰って来られて、本当に嬉しかったです。そんな木多先生が復帰を祝っていたのは、最近週刊少年ジャンプで「トリコ」の連載を開始した島袋光年先生。突如ジャンプで「世紀末リーダー伝たけし」が打ち切りになって、警察のご厄介になった後にスーパージャンプに舞台を移したものの、この度めでたく少年誌に復帰しました。木多先生も「おつとめを終えて、帰ってきた!!!」と「喧嘩商売」内で祝辞していました。

このように復帰というのは本当に嬉しいものです。つまり何が言いたいかといえば、ヤツがおつとめを終えて、帰ってきた!!!


2008年07月14日(月)

梅澤春人先生の「LIVE」でを覚えていますか。主人公が同級生が黒魔術をしていた所に出くわし、魔界の悪魔スレイヤと血塗られた契約を結び、願いを3つ叶えてくれるという事でスレイヤを人間にしてしまい、ひたすら毎日ハードロックな日常を送ると、なかなかていました。特に登場するヤンキーのセンスは脱帽もの。ハゲで眉毛がない外道に始まり、ハゲで頭にクモが描かれた外道で終わるまで、我々の心を鷲掴みにする素敵なやつらばかりでした。


最高にイカしたヤツ

街中で銃を向けながら「199(ワンナインナイン)」と言い出し、笑顔でそのまま発砲。これこそ最高にロック。この男の名前は七雲竜次くん。将来の夢はUZIで大量殺人を行い悪魔になること。最後は全身バキバキにされて警察にパクられましたが、何から何まで最高にノッていました。梅澤先生の描く不良はとにかくファンタジック。「LIVE」は10週で打ち切られてしまいましたが、我々の心に永遠に残る傑作です。煽り文で「応援ありがとうございました! 梅澤先生の次回作にご期待下さい!!」と書かれていたものの、梅澤先生の次回作は永遠に週刊少年ジャンプに掲載される事はありませんでした。

賛否両論あると思いますが、個人的には10週打ち切りには浪漫があります。梅澤先生の「LIVE」以降の短期打ち切りをちょっと振り返ってみると…。

「無敵鉄姫スピンちゃん」(11週)、「少年守護神」(11週)、「ぷーやん」(13週)、「カイン」(19週)、「切法師」(18週)、「大泥棒ポルタ」(15週)、「OVER TIME」(19週)、「斬」(18週)、「HAND'S」(10週)、「神力契約者M&Y」(10週)、「重機人間ユンボル」(10週)、「瞳のカトブレパス」(15週)、「ベルモンド」(19週)、「K.O.SEN」(12週)、「MUDDY」(12週)、「ポセイドン高校」(18週)…と、どの作品にも浪漫がありました。

短期で即効打ち切られるのは浪漫を感じますが、中途半端に延命して生き残ったと思って安心したら、結局打ち切りとなった場合は何ともいえない複雑な気持ちになります。というわけで、今週号(33号)の週刊少年ジャンプで「サムライうさぎ」が打ち切られてしまいました。これを打ち切るかー。

確かに「サムライうさぎ」は少年誌なのに夫婦の生活を中心とした物語で、異色といえば異色でした。しかし、初期の人情話は、やはり良いもの。でも、アンケートで人気に反映されることなく、順調に掲載順位を落としていきました。そして、これは週刊少年ジャンプ。人気がなかったらテコ入れでバトル漫画になるのは自然の定理。そして残念ながら今回で打ち切りとなってしまいました。享年67週

中途半端に粘って、結局打ち切りなってしまった「サムライうさぎ」。 テコ入れでバトル漫画になって打ち切りというのは、非常に週刊少年ジャンプらしくて、本当にムカつきました。

蒼い髪と黒いノートと黄色いドロボウさんの7月15日は、「サムライうさぎ」の打ち切りについて以下の感想を述べてらっしゃいました。

やっぱ途中のバトル路線変更が響いたとしか思えない。まあ、路線変更は言い出した人の責任ですからねー。言い出された方は従うしかないわけで。実に不幸です。どっちが不幸だったのかはあえて言わない。

しかし、終盤の、母親と同居してからの志乃の可愛さが異常だったな、と。以前、伍助が寝床を別々にしようと言った事が、実は志乃はいまだにトラウマとなっており、この出来事を思い出してひたすら家事を頑張るのでした。そしてトドメに「くっついていい?」です。


くっつく二人

オッケーイ!

この後の空白のコマと「互いに…!!」の煽り文が何か妄想力を膨らませます。この時は「第一回サムライうさぎキャラクター人気投票結果発表」が行われていました。その翌週に打ち切りというのは無念としかいいようがありません。ちなみに応募総数は4584票。「テニプリ」の跡部様の半分以下です。

人気投票の結果のは、1位が志乃(648票)、2位が伍助(628票)。「見事、夫婦でワンツーフィニッシュ」というコメントが涙を誘います。この人気投票結果発表がされた打ち切りの1週前の、福島先生の巻末コメント。

キャラ人気投票の結果が出ました。一位と二位が彼らで良かったありがとう!!

初めて巻末コメントで泣きました

最終回は御馴染みの「さあ、行こう!」といった感じの最終回でした。最後の志乃の可愛さが異様に光っていましたが、何とも残念な結果です。夏の赤丸ジャンプに特別編を掲載予定らしいので、そちらに期待したいところ。あー、しかし無念です。


2008年07月15日(火)

Xbox 360を持っているわけですが、ぶっちゃけソフトは「THE IDOLM@STER」しか持っていません。つまりアイマス専用。そんなアイマス専用機となってしまっているXbox 360ですが、朗報が!「ファイナルファンタジーXIII」はマルチで展開――Xbox 360でも発売決定。まあ日本では今のところPS3のみなのですが、今後どうなるかは分りません。頼むから箱○で出してくれよ、と。

さて、続いて朗報です。[あいこら]の井上和郎先生他、3号連続スピリッツ新連載攻勢だとか。「あいこら」連載終了して一息ついているのかと思っていた井上和郎先生が早くも復帰だとか。

井上和郎先生といえば「美鳥の日々(AA)」が有名です。ある日、突然主人公・沢村正治に右腕が可愛い女の子に…。そして恋を育んでいくのです。つまり、右手が恋人少年誌で右手が恋人という思春期男子の状況をそのままストレートに漫画にし、大喝采を受けました。


右手が恋人

この「美鳥の日々」が素晴らしいところは、脇役の存在感。一時はヒロインのはずの美鳥の存在感が霞んでしまうほどでした。

特にテンプレ通りにツンデレしていた綾瀬貴子。初めは正治を嫌っていたのですが、正治の男気を見てしまい陥落ちてしまいました。陥落ちた後の綾瀬さんの可愛さは異常で、正治を映画に誘って「うきゅーんっ」となったり、遭難してラブホテルで一緒に過ごす中で下着にセーターと、とんでもない戦闘能力を計測。綾瀬さんのあまりの剛速球ド真中ストレートっぷりに、美鳥はたじろうしかありませんでした。ラストは正治に告白して振られて涙する姿に我々は一緒に号泣するのでした。

そして綾瀬以上に存在感を示したのが真行寺耕太。美鳥の幼馴染という設定で、初めは美鳥に惚れており、正治の恋のライバルになるかと思いきや、何やらおかしな事になっていきました。スケバングループに女装された事に始まり、何時しか正治の男気に惚れて陥落てしまいました。正治に陥落した後の耕太きゅんの存在感は綾瀬や美鳥以上になってしまいました。不良に監禁されて縛られるシーンなど、もう何とも言えません


縛られる耕太きゅん

とにかく、おかしな事になってしまいました。何よりも女装した耕太きゅんの可愛さがとんでもない事になっており、当時のDAIさん帝国さんは以下の感想。

美鳥に片想いする幼なじみの同級生という初期設定だった耕太きゅんも、今は昔。ショタ属性が付け加えられ、さらにはホモ属性が付け加えられ、あまつさえ縛り属性ゴスロリ女装属性まで加味され、今後の彼の行く末には目が離せません(いろんな意味で

何時しかサンデー読者は井上和郎先生を称えはじめました。変態漫画家と…。

特に「葵DESTRUCTION!(AA)」では、38歳の親父(良い臭いらしい)萌えという何もかもがおかしな事をやってのけました。葵(38歳)という可愛い親父に萌えてしまい、新たな世界へ旅立つものが続出してしまいました。我々は無我の境地に辿りついたのです。とにかく井上和郎先生は変態です

もう井上先生は止まりません。今度は「まほろまてぃっく」の原作で知られる中山文十郎先生と組んで「音禰(おとね)のないしょ」をサンデー超で掲載。どんな作品かと言えば、三十歳過ぎて死んだ童貞の侍の霊が宿った刀を、全裸の可愛い女剣士が振り回すという話。もうどうしようもありません。この作品のさらにイカしたところは、女剣士が刀を使用すると、刀が感じてしまい大きくなったり硬くなったりしてしまうところ。井上和郎先生は本当に素晴らしい変態漫画家であると我々の心に改めて刻んだ改作です。

さらにさらに、ヤングアニマルあいらんどでは「春らんまん」という4コマ漫画を2度掲載させました。こちらは可愛い弟にひたすら萌えるという、38歳の親父葵萌えに通じるものがありました。「春らんまん」で弟萌えという、さらに新しい扉を開けることに。無我の境地のさらに奥の扉を開けてしまい、ついに我々は天衣無法の極みにたどり着くのでした。


弟萌えへ…

本当に、井上和郎先生は大変態ですね。

そして、先月最終巻が発売された「あいこら(AA)」。こちらは少年誌でフェチの極みを突き進みました。パッチリネコ型ブルーの瞳、新幹線200系型の巨乳、低音ハスキーヴォイス、サニーちゃん足、備前有田焼飾り壷ラインくびれ腹、水蜜桃のような尻(男)…、フェチの中でも恐らく高レベルであろうパーツフェチ。最後は、パーツフェチが桜子にバレて「変態ッ!」と罵られてしまいました。この言葉は井上和郎先生にとっては最高の褒め言葉な気もしますが、ハチベエは様々な手を使って桜子の気を引きます。


様々な手

そしてストーカーのように追い回して愛の告白を続けて、ついに桜子もハチベエが好きだと認めて両思い。これで大団円か…と思いきや、ハチベエは勘違いからイギリスへ旅立つのでした。帰国したハチベエはかっこよく決めたかに思えば、世界中の素敵パーツの女性を陥落しまくってハーレム状態になっているのでした。何だかよく分りませんがめでたしめでたし。

とにかく、今までの作品全てが随所に変態漫画家として井上和郎先生の小宇宙を感じました。スピリッツでの掲載予定のタイトルは「アンデット」。煽り文では「死者が帰ってくる…」とか。「感動、切なさ、笑い、すべてが詰まったオムニバスストーリー」だそうです。井上和郎先生は我々を、さらに新しい扉を開くように導いてくれるのでしょうか。7月28日に我々は天衣無法の極みのさらに先を知ることなるのか、期待したいところです。




トップ