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大物キャスター受難の時代に

大物キャスター受難の時代に
 元日本テレビの人気アナウンサーで現在、フリーキャスターとして活躍中の福留功男アナ(66)のレギュラー3番組が、9月末の番組改編で放送打ち切りになることが明らかになった。テレビ局各局は経費削減の動きを見せており、ギャラが高額な大物キャスターのリストラが始まったようだ。

 福留アナは秋の番組改編で「ブロードキャスター」(TBS)、「いつみても波瀾万丈」(日本テレビ)、「オジサンズ11」(同)の3本のレギュラーが一気に終了する。これをきっかけに、福留アナの引退説までささやかれたが、所属事務所は否定。
 TBS社長も9日の定例会見で、「ゴールデンの浅い時間の番組でお力を貸してもらえないかと話している」と、今後、別の番組で新たに起用する方針を明かしている。また、福留アナの高額なギャラなど制作費が番組終了の原因と一部で報じられたことに対し「それなら福留さんにまた(番組に)出てもらうことはない」と明言。しかし、制作費カットが大きな要因という見方は根強い。
 本紙でコラムを連載中の芸能評論家・肥留間正明氏はこう語る。
 「『ブロキャス』のギャラが1回約300万円といわれている。年間で考えると、1億円を超えます。後釜に局アナを据えれば、通常の給料だけで済む。今のテレビ界では大きな経費削減になる。実際、後番組の司会には同局の安住紳一郎アナが起用されます」
 最近、テレビ局が相次いで役員報酬のカットを打ち出している。
 先のTBSの定例会見では、業績不振を理由にTBSと子会社であるTBSテレビの全常勤取締役18人の役員報酬を、7月から来年6月まで1年間、10〜15%減額をすると発表。これに先立つ1日には、テレビ朝日が、広告収入の落ち込みを踏まえ、7月から全役員を対象に平均12%の報酬カット。テレビ東京も、会長と社長の役員報酬を15%、専務、常務が10%、取締役が5%カット。今年度の制作費も約19億円減額と発表している。
 各局とも広告不振が響いているようだが、その要因として、原油高インフレによる消費低迷、ネット媒体への広告掲載が挙げられている。そして、もう一つ大きいのが視聴率の落ち込みだ。
 「視聴率は10%でOKの時代になった。15%だとバンザイですよ。今、20%取れるのはNHKのニュースくらい。民放はほとんど無理。これではスポンサーはつきませんよ」(テレビ局関係者)
 では、原因は何なのか。
 「視聴者のテレビ離れが大きい。番組制作を安易に制作会社任せにした結果、テレビ局が番組を作れなくなった。出演者は一定の有力事務所のタレントばかり。視聴者はネットの方が面白いと去ってしまった」(同)。
 福留アナに続いて、他の大物キャスターのリストラも、ささやかれている。古館伊知郎(53)、小倉智昭(61)、草野仁(64)、みのもんた(63)、大塚範一(59)らだ。
 「古館は『報道ステーション』が好調のためリストラ候補には入らない」(放送評論家)というが、残りは厳しそうだ。小倉の場合、「とくダネ!」は7年もの間、視聴率トップを取ってきたが、最近は日テレの「スッキリ!」に押され気味で、打ち切り説も出ている。草野仁は、TBS「世界ふしぎ発見!」にリニューアルのウワサが流れている。みのもんたは日テレの「おもいッきりイイ!テレビ」に秋以降の打ち切り説がある。大塚範一も「めざましテレビ」の降板説が、過去に何度か流れてた。
 肥留間氏によると、「みの、小倉は大看板。今のところ、降板までは追い詰められていない。しかし、他はどうなるか分かりません。ともかく今後、キャスターより局アナの傾向が強まるのは確実。制作費節減からタレントアナを切り捨てる時代になってくるでしょう」。
 大物キャスター受難の時代はこれから本格化しそうだ。

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