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2008年7月15日

 洞爺湖サミットで米のブッシュ大統領がロシアのメドべージェフ大統領と握手した同じころ、ライス米国務長官がチェコを訪れミサイル防衛網(MD)建設に調印してロシア側を怒らせた

米国が東欧に迎撃ミサイル網を敷くのはイランなど中東からのミサイルを防ぐためと説明している。が、ロシアにすれば目の上のこぶ、矛先はいつどこに向けられるか分からないと猛反発、しかるべき措置をとると硬直している

折も折、イランがミサイル発射を繰り返した。米紙によると3発飛ばしたはずなのに写真で4発飛んだように「偽装」までしているという。これでは敵への威嚇効果より、米国の防衛論を援護射撃する愚行に見える

サミットから6カ国協議に続く外交でも北朝鮮との間で何が進展したのか分かりづらい。拉致被害帰国者名の未確認情報が流れたり帰国した拉致家族は北朝鮮に戻すべきだったとの政治家発言など、どちらを向いて飛ぶか分からないミサイルに似ている

テーブル上で握手して下で蹴(け)り合う足が見えるような情勢だが、皮肉に見れば外交とはいつもこんなものなのかもしれない。


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