＜ＪＲ大阪駅の通り魔＞「けが助けてくれず」　大山容疑者を起訴

　ＪＲ大阪駅で先月２２日、女性３人が左上腕部を切りつけられた通り魔事件で、神戸市西区の無職、大山和歌（かずか）容疑者（３８）＝傷害容疑で逮捕＝が「（自分が車内で事件前にけがをした時に）乗客は助けてくれなかった。同じ所を切りつけようと思った」と供述していることが大阪府警曽根崎署捜査本部の調べで分かった。大山容疑者は事件約１５分前にＪＲ芦屋駅で電車ドアの戸袋に腕を挟まれていた。捜査本部はその腹いせに襲ったと断定した。

　調べでは、凶器のカミソリはまゆ毛をそる化粧用。事件当日は知人宅へ向かう途中で、芦屋駅でのトラブルの後、電車内でカミソリをかばんから出して服のポケットに忍ばせたという。大阪駅で女性を狙った理由を「人が少ないと目立って捕まる。男なら抵抗される」と供述している。

　大阪地検は１４日、女性２人に対する傷害罪で大山容疑者を起訴。１人目の被害は「意図的とするには疑いが残る」として不起訴処分とした。事件８日前に大阪駅で女性を針で刺したことも認めており、捜査本部は近く暴行容疑で追送検する。【小林慎、遠藤孝康】