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新学習指導要領:中学教科書に「尖閣領有」も明記 文科省が方針

 中国や台湾が領有権を主張している尖閣諸島について、文部科学省は、中学校の新しい学習指導要領(12年度全面実施)に基づいて編集される社会科の教科書に、日本が領有していることを明記するよう促す方針を固めた。初めて竹島を記載した指導要領の解説書で「我が国の領土・領域について理解を深めさせる」としたが、「領域」は尖閣諸島を指す記載と位置づけている。文科省が尖閣諸島の教科書への記載を明確に求めるのは初めて。

 尖閣諸島は日本が実効支配していることから、政府は「領土問題ではない」との見解を示し、北方領土や竹島とは区別している。

 解説書には「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ」とあり、文科省はこの「など」は、尖閣諸島を巡る中国や台湾との主張の相違を指すとしている。新学習指導要領実施前の10年度に中学の教科書検定がある。文科省は尖閣諸島の記述について充実を教科書会社に促していく。社会(地理、公民)の現行教科書は14点のうち4点で尖閣諸島を扱っている。【加藤隆寛】

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 ■ことば

 ◇尖閣諸島

 東シナ海の石垣島北約170キロに点在する無人島の総称。1895年の閣議決定で日本が正式に領土とした。第二次世界大戦後、南西諸島の一部として米国の施政権下に置かれたが、沖縄返還(72年)と同時に日本領土に復帰。70年代に中国、台湾が領有権を主張し始めた。

毎日新聞 2008年7月15日 東京夕刊

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